こんにちは、のぶもんです。
先日、大溪老街の日本語ガイドツアーの体験記を書きましたが、実はその前の月(9月)にも大溪を一人で訪れていました。
以前にも大溪に来たことはあるのですが、最近、観光客の誘致に大変積極的で、日本家屋の修復・活用が大変に進んでいるという話を聞き、久々に訪れることにしました。
この間のカフェ・夜景レポート以外の内容について、今回報告しますね。
現在、大溪には、修復された日本統治時代の建物が5棟、それに戦後、蒋介石が滞在した建物を含めて、6棟の見学が可能です。
早速、それぞれの建物を見ていきましょう。
まずは1軒目の「木藝生態博物館・壱號館」に入ります。こちらは、日本統治時代にの公学校(台湾人用の学校・主に日本人用の国民学校とは異なる)校長宿舎です。
日本統治時代に台湾で建てられた校長先生の宿舎は、当時としてはかなり立派な家屋ですが、中は比較的質素です。
それでも、廊下の佇まいなどは素晴らしいです。遠来の賓客をもてなしたりするためか、多少見栄えがするようになっています。
壱號館は、情報案内所しての役割があり、パンフレットが置かれたり、案内映像が見られたりします。
こちらは、仕掛け鏡のような案内体験コーナー。若者たちが夢中になって楽しんでいました。大溪に来たら、まずはこちらに立ち寄るのが便利です。
【1号館】(旧大溪公学校校長宿舎)
住所:桃園市大溪區中正路68號
次は、「木藝生態博物館」シリーズから離れ、旧蒋行館を訪れます。
ここはもともと、大溪公会堂として建てられましたが、戦後は蒋介石が大溪を訪れたときに滞在する場所として使われていました。
今では、大溪の伝統的な産業・木工業の優れた作品が見られる展示館になっています。
この建物に展示されている作品は、特に精巧な作りの高価な作品が多いようです。もちろん、ここですぐに買ってくれる人が多いとは思いませんが、大溪の木工業の水準が高いことが実感できて、良いアピールにはなると思います。
【木家具館・木生活館】(旧大溪公会堂・旧蒋公行館)
住所:桃園市大溪區普濟路21-3號
さあ、こちらの建物はかつて武徳殿でした。今では、武道場としての機能はなくなり、大溪の産業発展、特に交通に関する展示が充実している資料館に生まれ変わりました。
こちらは、軽便鉄道が開通した頃に、大溪まで旅行にしたイギリスの旅行家・オーウェン=ルターについての展示。
この他にも、この地を訪れた著名人の足跡を学ぶことができます。
これは、主要産品の一つだった紅茶を入れる箱。こういうのを間近で見られるのもありがたいですね。
さらに面白いのが、軽便鉄道の映像を上映するコーナー。これは、とても貴重だと思います!
武徳殿には別棟があり、こちらはその渡り廊下です。昔は、日本のあちこちにこのような渡り廊下の光景が見られましたよね。
別棟では、戦後の交通などについての展示が見られます。
この武徳殿の裏手からは、河岸段丘上にある大溪の街から見渡す大漢溪を眺めることができますよ。
【武徳殿】
住所:桃園市大溪區普濟路33-3號
まだまだ続きます。こちらは藝師館。日本統治時代は、警察官の独身寮だった建物です。
中は、地元の木工師が作成した様々な木工品が展示されています。おもちゃや実用品なども見ることができて、なかなか楽しいですよ。
蒋公行館も木工品の展示を行っていますが、管理主体が違う上、壮大な作品と身近な作品というスタイルの違いもあるので、両方見ても楽しいです。
それにしても、木工品だけをテーマにして1つの街で2館を運営しているところから、いかに当地で木工業が盛んか分かりますね。
出窓の部分。展示だけでなく、日本家屋の趣そのものも楽しむことができます。蒋公行館は洋館ですから、また味わいが違いますね。
【藝師館】(旧大溪郡役所警察独身寮)
住所:桃園市大溪區普濟路52號
藝師館が独身寮なら、向かいにある四連棟は家族用の警察官宿舎。台湾の日本家屋宿舎は、二棟続きの長屋は多いのですが、四連棟はなかなか見かける機会がありません。
こちらは、大溪の歴史全般に関する様々な資料を展示しています。
いくつか、縮小した模型も展示されています。これは、老街のバロック様式のファサードを再現していますね。
それ以外にも多様な資料が。日本統治時代の卒業証書などの書類が見られるのですが、ということは、誰かが長い間これらを保管していたということ。難しい時代を経て、今の世にこういう資料と出会えるのは嬉しいですね。
写真もありました。おそらく、日本統治時代の学校での写真でしょう。よく見ると、みんな畏まっています。
こちらの四連棟には裏にも建物があり、こちらも当地の芸術家の様々な作品(木工に限らない)が見られます。
【四連棟】(旧大溪郡役所警察宿舎)
住所:桃園市大溪區普濟路13巷5號
本日最後の施設です。
こちらは、日本統治時代に警察課長の宿舎だった建物。今では、工藝交流館になっています。
こちらは、作品の展示もあるものの、木工体験などが重視されています。実際に遊べるものが展示されているようで、遊び心がくすぐられますね。
この部屋には、おがくずがたくさん置かれています。無料で備え付けの小さな袋におがくずを詰め、持ち帰ることができるんてす。
これなら、自分の部屋でほのかに漂う木の香りを楽しめそうですね。
【工藝交流館】(旧大溪郡役所警察課長宿舎)
住所:桃園市大溪區普濟路5號
いかがでしたか?これだけの日本家屋がまとまった場所で修復され、資料館などに活用されるケースは、さすがの台湾でも他にはないのではないでしょうか。
ツアーで概略を学んだあとは、自分が気になるスポットを気が済むまで鑑賞する。そんなことも大溪では可能です。(今回訪れた施設のうち、壱號館と工藝交流館はツアーでは行きません)
来年には、あと3棟の修復を終える予定とのこと。これからの大溪の動きから目が離せませんね!