こんにちは、のぶもんです。
台北に日本統治時代の日本家屋が案外残っているのは、少しずつ知られるようになりました。その中でも、特に見ごたえのある日本家屋が集中しているのが、中正區の齊東街エリアです。
齊東街は日本統治時代に幸町と呼ばれた地域で、公務員宿舎が多く建ち並んでいました。そのうち何軒かが今でも残っており、修復を施した上で様々な用途に再利用されるようになりました。
まずは、このエリアの中心的存在・台湾文学基地(旧・齊東詩舎)から見てみましょう。
この施設は、2棟の日本家屋を擁しており、それぞれが違う個性を発揮しています。まずは向かって右側の27號建築から。
こちらは、建物の内部が大胆にリノベされています。中央の広間は、畳敷きの部分が一段低くなっており、立体感を増しています。
素晴らしい縁側ですね。この艶を見ると、気持ちまでシャンとしそうです。
ところどころには、今では見られない意匠も発見できます。
この部屋は子供向け。絵本なども置かれていて、子供でも楽しめるようになっています。この日は偶然、絵本の読み聞かせ会をやっていました。毎週水曜日午後にやっているそうです。
ではお隣の25号建築に移動しましょう。門構えが本当の民家っぽくていいですね。
こちらでは、「不願被消失(失くなって欲しくない)」という企画展が開かれていました。日本統治時代の建物を記憶に残そう、というのがテーマのようです。
このような日本統治時代の建物に関する説明が所狭しと並んでいました。中には、こちらの「台北第ニ中学校(現・成功高級中学)」のように、その後取り壊された建物の写真もあり、見ごたえがあります。
台北の地図の上で、各建物の位置が説明されています。
角の部屋にもめいっぱい展示物がありました。
こちらの部屋にも、日本統治時代の建物の写真がたくさん。何時間眺めても飽きません。
建物の模型も展示されていました。内部の様子もわかって興味深いですね。
中庭の眺めも素晴らしいです。写真だけなら、日本にある建物と勘違いしそうです。
他の建物も見てみましょう。こちらは、12月末時点で開業準備中だった「MATCHA ONE 齊東店」。永康街の有名店が、このエリアの日本家屋に新しい店舗を出しました。
現時点ですでに開店しているのですが、値段の高さにも関わらず、連日予約で一杯とか。さすがにコロナが収束する頃には客足も落ち着くでしょうから、こちらで贅沢なお茶タイムを過ごしてみても良いかもしれません。
日本家屋はまだまだあります。こちらは「台北琴道館」。現在は、お琴などの資料展示館になっています。
中に入ると、数多くの琴が展示されていて、壮観です。日本家屋によくマッチしますね。
所々に建物のこだわりが見られます。この遊び心というか、風流心が楽しいですよね。
こちらの建物も、様々な角度からいい光景が切り取れます。何時間でもいられそうです。
この日のラストは、こちらの台北書畫院。先程の琴道館の裏手にあります。
ここも惚れ惚れするような落ち着いた日本家屋で、何軒も見て回ると、本当に日本に帰ったような気持ちになります。
こちらでは、各部屋に書や水墨画を展示しています。館内にずらりと作品を展示するというより、建物の中に作品を溶け込ませるような感じで展示されているので、結構楽しいですよ。
このときの作者は、若手の水墨画家3名。タイトルは喀啦喀啦山。日本の昔話「かちかち山」になぞらえた作品展とのことです。うーん、かちかち山のストーリーからすると、作品の意図とどう絡むのか今一つわかりませんが、何か深いインスピレーションを得たのでしょうね。
【施設情報】
「台湾文学基地」
住所:台北市中正區濟南路二段27號
開館時間:10:00~18:00(月曜定休)
「台北琴道館」
住所:台北市中正區齊東街53巷11號
開館時間:10:00~17:00(月曜火曜定休)
「台北書畫院」
住所:台北市中正區金山南路一段30巷12號
開館時間:10:00~17:00(月曜火曜定休)
いやあ、実に見ごたえのある日本家屋群でした。従来の施設に加え、飲食店の営業が始まり、これ以外にも、さまざまな用途が想定されている修復家屋がさらにあります。
MRT忠孝新生駅からも近いので、ありきたりの台北観光に飽きた方、台北で日本を感じたい方は、ぜひお越しください。