台湾で台湾の映画を見る〜孤味(台南を舞台にした女たちの深い深い愛憎そしてエビ巻き)

こんにちは、のぶもんです。

 

先週の土曜日、台湾で今一番話題の映画「孤味」を見てきました。金馬獎主演女優賞を受賞して、なんとあの蔡英文総統も映画館で鑑賞したという(さすがに警備の都合上、貸し切りだったそうですが)、評価の高い作品です。

 

それでは、レビューをどうぞ。


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(写真は、台南の國華街の風景)

 

「あらすじ」

70歳になるおばあさん、林秀英。台南でエビ巻き屋を営みながら、これまで女手一つで3人の娘を育ててきた。今日は秀英の誕生日食事会の日。そこに、愛人とともに蒸発した夫の訃報が届く。

 

娘たちは母を愛してはいるものの、それぞれ生き様が異なり、抱える悩みも様々。夫(父)の葬儀まで4人が一緒にいる時間が多い中、時にはぶつかり合いも生じてしまう。

 

そんな中、台北にいる夫の愛人が台南の廟に現れ、秀英と鉢合わせになる・・・。

 

「母と娘たちの愛憎」

 

母は、3人の娘の幸せをいつも心から願っている。が、それ故にともすると自分の価値観の中での幸せに娘たちをはめ込んでしまおうとする(これは、台湾ドラマでママがしばしばやらかすことだ)。

 

長女はおそらくそのレールに反発して芸術の道へ、次女は母の願い通り医者になったが、それは次女が心から望んだ道ではなかった。三女は母の店を継ぐらしいのだが、実は父の愛人と連絡を取り合っており、父の最期を看取っている。

 

「刻在」の二人の高校生の愛情は、ただ純粋に「好きで好きでたまらない」というだけのものだが(これはこれで青春時代の特権なので、どちらが価値が高いという話ではない)、この母娘たちの感情はそれよりも遥かに複雑。お互い愛するがゆえに、レールを敷き、反発し、従い、もっとわかって欲しいとボヤいてしまう。

 

「どうしようもない夫だけれども・・・」

 

秀英の夫に対する(そして夫の秀英に対する)愛情そして憎しみもまた一筋縄で葉行かないもののように感じる。

 

初めは、甲斐性がなくだらしない夫をただ憎んでいるだけかと思ったら、実はもっと深い愛情も同時に持っていたんだということが徐々に分かってくる。これをモノローグですべて語ると興ざめなのだが、セリフと動作と情景描写から少しずつ感じ取れるようになっているので、見ていてすんなり入れる。

 

愛人が登場する場面などから少しずつ分かってくる夫の姿。そこでは、なぜ秀英そして愛人が、こんな男に惹かれたのかもなんとなくわかる仕掛けだ。

 

実は映画の出だしはちょっと退屈したのだが、気づいたら彼女たち・彼らの魅力に引き込まれている自分に気づいたのである。

 

「小道具としての台南」

 

台南は、台湾の中でも特にドラマ性を感じやすい町だと思う。台湾語(ホーロー語)が街で普通に飛び交い、どことなく台北に対する強い対抗意識も感じられる街。

 

そんな街で、台南名物の「蝦捲(えび巻き)」の屋台から這い上がっていった母、という設定だけで、都会的で洒落た台北とは一線を画すイメージが容易につく。(ちなみに、エビ巻きを母が揚げるシーンが1回だけあるが、これがまたたまらなく魅力的なのだ!)


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それに対して、父を象徴する小道具が、台北の老舗菓子店「明星咖啡館」の俄羅斯軟糖(マシュマロ)という西洋菓子というのが、父を一言で象徴していて面白い。今度、台北駅界隈に行くときは、このマシュマロを買ってみよう。

 

「女の園のものがたり」

 

非常に優れた作品だと思うし、エンディングは、「刻在」とはまったく違う種類の、滋味あふれる涙が流れてきた。が、僕は映画を見ていてずっと、ガラスの向こうの話をじっと指をくわえてみているような気持ちだった。

 

そう、女どうしの感情のもつれ合い、ぶつかり合い、共感、そういったものが、頭では理解できても、本能的にはすぐには感じ取れない(半歩遅れてやっとわかる感じ)。

 

この辺りは、完全に主観的感想なので、いろんな方(特に男性)に感想を伺ってみたい。

 

いずれにしても、日本公開に持ち込みやすい作品だと思うので、みなさん公開を楽しみにしていてほしい。


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台湾さんぽ42〜新竹の市街地で歴史散歩1・現代に蘇る日本家屋をじっくり見学(+おいしいトーストに出会う?!)

こんにちは、のぶもんです。

 

10月も少し遠くまで出かける機会が多く、新竹市内の街歩きも楽しむことができました。

 

新竹は、実は日本統治時代の建築の宝庫。純日本風の日本家屋から立派な洋風建築まで、実にたくさんの遺構が残っています。

 

まずは、当地に残る貴重な日本家屋をいくつか訪れてみたいと思います。

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出発点はやっぱり、こちらの台鉄新竹駅。駅舎は1913年に建てられた「100年選手」で、台湾で現存する最古の駅舎だそうです。

 

ここから歩いていける場所に、日本を感じさせる場所がたくさん残っています。では早速、街歩きに出かけてみましょう。


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こちらは、駅から徒歩でおよそ10分の中心部にある日本家屋「李克承博士故居」です。

 

建てられたのは1943年。3人の日本人が共同で建てた接待所・交流施設だったのですが、すぐに終戦を迎え、戦後は李克承博士が住むことになります。

 

李克承は、台湾人で初めて医学博士となった郷土の偉人で、戦後長らくこの家に住んでいました。


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現在は、新竹市が管理して、館内では「A Moon」という名前のカフェ・レストランとしてリニューアルオープンしています。

 

社交所として建てられただけあって、一般の日式宿舎とは少し雰囲気が違います。


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玄関を入ると、こんな感じに見えます。梁をしっかり残しつつ、開放的な空間を作り出しています。


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では飲食タイム。まずはコーヒーが出てきました。コーヒーは味も大切ですが、器も重要。陶器のコーヒーカップでいただくと、少しだけ優雅な気分になれますね。


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そしてこのお店の名物、トーストの登場です。トーストなんて、今どきどこのカフェでもよく出されますが、ここのトーストは格別の味。地元でも「トーストがおいしい店」で知られるようになりました。

 

一番狙いは、できたてホヤホヤの生食パンでしたが、11時にならないと焼き上がらないと言われ、第2候補の山形トーストを選びました。ふかふかでとてもおいしいトーストでしたが、ドリンク無しで160元はちょっと高いかな。。。


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まあ、この手の施設の中にある飲食店は、限られた条件の中で利益を出さなければならないので、どうしても少しお高めにならざるを得ませんね。

 

【店鋪情報】

「李克承博士故居」

住所:新竹市北區勝利路199號

営業時間:9:00~17:00(月曜定休)

 

 

 

今度は、駅の向かい側に移動します。次に訪れたのは「鐵道藝術村」。もともとは1941年に建設された駅裏の倉庫だったのですが、鉄道貨物の衰退とともに使用されなくなり、最近になって文化財に指定され、さまざまなアート活動の場としての藝術村に生まれ変わりました。


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駅裏にあってアクセスはよいのですが、案外知られていないようで辺りは静かでした。

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館内では、いくつかの団体の展示が行われていました。ただし派手さはなく、あくまでのマイペースでのんびりした感じの展示になっています。

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この、少し地味なアートスペースの隠れた見どころは、裏口にありました。線路側には簡単な椅子がテーブルが置かれ、ここで持参した食べ物・飲み物をいただきながら、電車が行きかうのをのんびり眺められます。

 

ときどき、自強號もやってくるので、なかなか面白いです。この日も、僕以外に家族連れの姿も見えました。

施設を見ても、日本統治時代の古い雰囲気はあまり感じられませんが、街歩きの息抜きスポットにどうぞ。

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【施設情報】

「新竹鐵道藝術村」

住所:新竹市東區花園街64號

開館時間:10:00~18:00(月曜定休)

 


次に訪れた場所は、「辛志平校長故宅」です。故宅前の道も雰囲気がありますね。

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中に入ってみましょう。門構えの風情がまた、とても良いです。


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こちらの建物はもともと、日本統治時代の1922年ごろに建てられた、旧制新竹中学校の校長宿舎でした。それが戦後になり、新制新竹中学の校長に就任した辛志平が引き続き住むことになったのです。

 

辛志平は、1912年に中華民国広東省に生まれ、終戦とともに台湾にやってきました。

 

新竹中学校長に就任後は、高い能力と厚い人望で生徒たちからたいへん慕われたそうです。いわゆる、生徒とともに歩み、生徒の中に積極的に飛び込んでいくタイプの校長先生だったようです。

 

 

「竹中(新竹中学)之父」「教育哲人」と称されることも多かったようです。


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建物は、戦前のちょっとリッチな邸宅といった感じがします。派手さはありませんが、邸宅内で小さな宴席くらいは設けられそうです。


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内部は、辛志平の功績や残された資料などがたくさん展示されています。


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この廊下が本当に美しいです。校長は退職後、亡くなるまでこちらに住んでいたそうです。愛着もあったのでしょうね。


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館内では、立体的な展示も見られます。


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こちらは、校長の書斎を再現したようですね。ここなら、心を落ち着けて仕事ができそうです。


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こちらが新竹中学の校訓だそうです。


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もともとは、建物すべてが展示コーナーだったのですが、今年に入って館内にカフェが入り、展示内容が少し減りました。その後、カフェは撤退してしまったようで、今では中途半端に飲食スペースが残るだけ。その点だけは少し惜しい気がします。

 

 

庭先には、別棟で新しく建てられたカフェ。今考えると、もとのカフェが館内からここに移転してきたのかもしれませんね。

 

ガラス張りの店内は明るくてゆっくりできるのですが、コーヒーがとても高かった記憶かあります。(いくらだったか忘れましたが、コーヒーの値段を聞いてひっくり返りそうになった記憶があります(^_^;))


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【施設情報】

「辛志平校長故居」

住所:新竹市東區東門街32號

開館時間:9:00~17:00(月曜定休)

※カフェやレストランの営業時間は異なるので注意

 

 

午前中から、興味深い施設が登場しましたね。このあとは、新竹日本建築の白眉とも言える建物が次々と登場します。

台湾の小さな街を歩く41〜嘉義さんぽ3・嘉義の魅力的ローカルスポットを徹底探索!

こんにちは、のぶもんです。

 

嘉義さんぽも夜になりました。ゲストハウスにチェックインしてから、再び夜の嘉義を歩きます。


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(夜の嘉義駅舎。この雰囲気もいいですね)

 

さて、嘉義では僕が訪れた直後にオープンした施設があります。それが、こちらの嘉義市立美術館。

 

こちらは日本統治時代の1936年に建てられた菸酒公賣局嘉義分局で、設計は梅澤捨次郎によります。この人は、台南のハヤシ百貨店などを手掛けた人としても有名で、台湾建築史ではたびたぴ名前が出てきます。

 

それが長い年月を経て、市立美術館として生まれ変わることになりました。この情報を手に入れたのが、嘉義行きが決まってからだったので、やむなくオープン前の外観見学となった訳ですが、せっかくなので拝みに来ました😅

 

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きれいにリノベされていますが、落ち着いた感じで良いですね。これは、人気の施設になっていきそうです。


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これはなかなか良い感じです。こちらの取材は、宿題として残りましたね(^_^;)

 

 

【施設情報】

「嘉義市立美術館」

住所:嘉義市西區廣寧街101號

開館時間:9:00~17:00(月曜定休)

 

 

次は、かなり趣が異なる場所に行きます。パット見は歓楽街の入口のようですが、れっきとした廟の入口なんです!


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こちらが西安宮。とても小さくて地味な廟ですが、ここに義愛公が分祀されていると教えてもらい、ちょこっと立ち寄ってみました。


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おーっ、神様がいっぱい!そしてその中に・・義愛公を発見しました!日本人が台湾で神として祀られている話は少しは知っていましたが、このようにあちこちに分祀されることがあるとは知りませんでした。


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この廟に行くときは、googlemapでしっかり場所をチェックしておきましょう。

 

【施設情報】

「西安宮」

住所:嘉義市西區中正路689巷1號

開館時間:6:00~22:00(無休)

 

 

廟をあとにして、いよいよ夕食の時間です。今回は、多くの台湾好きの皆さんが推薦している「林聰明沙鍋魚頭・創始總店」に行きました。

 

ここは、沙鍋魚頭という嘉義の名物料理を出すお店ですが、ものすごい人気で長蛇の列です!(ただし、お店はとても大きいので、待ち時間はそれほど長くありません)


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20分くらい待って店内に入り、注文したのがこちらの「沙鍋魚頭」。沙茶ベースの鍋に魚の頭や様々な野菜などを入れた、ごった煮料理なのですが、これが非常にうまい!食べやすくて、クセになりそうです。


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ちなみに「沙鍋魚頭」は少しお高めで、二人分で330元。お一人様の場合は、「沙鍋菜+魚肉」(110元)でも十分満足できます。

 

 

【店鋪情報】

「林聰明沙鍋魚頭・創始總店」

住所:嘉義市東區中正路361號

営業時間:12:00~21:30(原則無休)

 

 

お腹は満ち足りましたが、デザートは別腹(笑)。ということで、ゲストハウスで紹介してもらった地元で人気の豆花屋さんにも足を運びました。


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こちらのお店もかなりの人気。次から次へとお客さんが来ます。そして頼んだのは、こちらの豆漿豆花。

 

少しだけ濃厚な感じがたまらなく美味!ああ、これはクセになる味だなあと思いました。


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【店鋪情報】

「嘉義品安豆漿豆花」

住所:嘉義市東區中正路335號

営業時間:13:00~22:00

(土日は11:00~金土は~22:30)

 

 

その後は、夜の嘉義さんぽが続きます。こちらは、今や嘉義のシンボルにもなっている中央噴水池。KANOで主役となった吳明捷の銅像が見られます。


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文化路夜市を通過して、夜遅くまで営業しているカフェに行ってみると、なんとお休み!

 

臨時休業かどうかもよく分からず、少しがっかりしてゲストハウスへの帰路につくと、途中に明かりがついているお店が!近づくと、お酒も飲めるカフェのようです。

 

その店がこちらの「IN COFFEE」。恐る恐る中に入ると、夜10時にも関わらずお客さんがちらほらいます。


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早速、ハンドドリップコーヒーを注文。飲みやすくておいしかったです。


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店内には数匹の猫ちゃんがいて、猫好きの皆さんにも楽しんでもらえそう。


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僕は旅行でどこかの街を訪れるときは、その街の見どころやグルメ、カフェなどを徹底的に調べてから行きます。それでも、調べきれていない良い店ってあるんですよね。

 

こういう偶然の出会いも、台湾の街歩きの楽しみの一つです。

 

【店鋪情報】

「IN COFFEE」

住所:嘉義市西區忠義街50號

営業時間:15:00~2:00(原則無休)

 

 

ゲストハウスでゆっくり休んだあとは、翌朝も少しだけ活動します。

 

まずは、昨晩訪れた嘉義市立美術館を再度見学。夜の景色とは違い、建物の細かい部分まで見られるのが良いですね。

 

やはり、ライトアップされる建物は昼と夜両方見たいですね。


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その後は、お気に入りの東市場まで歩いて行き、朝ごはん。こちらは、市場としてはかなり静かですが、何軒かの小吃が並んでいます。


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まずは「王家」という牛肉湯のお店へ。牛肉湯と言えば台南が有名ですが、何軒かを食べ比べた経験から言うと、ここの牛肉湯は台南のどの店よりもおいしいです。(しっかりした味のスープを求める人にとっては→薄味スープが好きな方は台南のほうが良いかもしれません)

 

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お次は、「袁家排骨酥」です。市場めしは、ハシゴできるのが楽しいですね。


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こちらでは、排骨酥に筒仔米羹などを頂きました。もう朝からすごいカロリーですね!


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もちろん、デザートも。向かいの屋台で米苔目かき氷を頂きました。朝からフルコースですね(笑)。


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【店鋪情報】

「嘉義市東公有零售市場」

住所:嘉義市東區忠孝路光彩街

営業時間:6:00~18:00(ただし飲食店はお昼過ぎにどんどん閉まります、月曜定休の店あり)

 

そして、最後は嘉義で僕が一番気に入っているカフェに行って締めくくりとします。それがこちらの「提娜多」。

 

このカフェは、なぜか「嘉義で必ず行くべきカフェ」リストにあまり出てこないのですが、なかなか良いカフェです。


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店内は老房子を程よくリノベしており、落ち着いた感じになっています。嬉しいのは朝8時から営業していること。こだわりカフェの多くが午前中はほとんど営業していないことを考えると貴重な存在です。


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さあ、コーヒーをいただきましょう。こちらのカフェは、お値段もリーズナブル。アメリカンは30元、ハンドドリップコーヒーは50元からという破格の安さ。

 

モーニングセットなどもあって、なんと朝から地元の人でかなり賑わっていました。おかげで、僕たちのコーヒーが出てくるのに時間がかかり、急いでコーヒーを飲み干す羽目に😅まあ、そういうこともありますよね。。。


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東市場からは近いので、市場見学後の一休みスポットには最適ですよ。

 

 

【店鋪情報】

「提娜多」

住所:嘉義市東區公明路167號

営業時間:8:00~18:00(原則無休)

 

いかがでしたか?我ながら、よくあちこち回ったなあと思います。ですが、これ以外にも時間や曜日の関係で見逃した施設がたくさんあります。

 

どれも多くの方に紹介したい場所はばかりなので、できるだけ早い時期に嘉義を再訪したいと思います。

台湾で台湾映画を見る〜刻在你心底的名字(君の心に刻んだ名前:仮題)

こんにちは、のぶもんです。

 

今週末の台湾では、映画界の一大イベント「金馬奨(Golden Horse Award)」の授賞式が開かれます。

 

今年のラインナップの特徴は、作品の質と興行収入のバランスが良いこと。すべての作品がすでに劇場公開され、興行ランキング上位に躍り出る作品も少なくありません。

 

なので、多くの人に知られた映画どうしで賞を争う形になり、盛り上がりを見せています。

 

そんな映画の中で、台湾映画で今年最大のヒットとなった「刻在你心底的名字」を見てきました。ちょっと長くなりますが、この映画の感想を書いてみたいと思います。


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〈あらすじ〉

時代は1987年、私立のカトリック高校に通う優等生の張家漢(阿漢)と、個性的で正義感の強い王柏德(Birdy)。意気投合した二人は親友となり、いつしか友情を超えた感情を持つようになる。

 

折しも時代は、長らく続いた戒厳令が解かれ、自由化の波が少しずつ押し寄せてきた頃。二人の高校(当初は男子校)も女子学生を受け入れるようになるなど、変化の時を迎えていた。Birdyは女学生の班班と親しくなり、阿漢とBirdyの間には少しずつ溝ができ始め・・・。

 

これだけだと、最近よく目にするようになったBL映画と同種のものに見えるかもしれない。ところが映画を見ていくと、台湾における同性愛をめぐる、決して明るいとは言えない過去と、ひたすら青春を謳歌したいだけの若者たちが世の中の壁に何度もぶつかっていく様を見て取ることができるのだ。

 

〈欠点も多いがそれを上回る熱量を感じる〉

この映画には実は、弱点が多々あるように感じる。

 

まず、数多くの伏線が未回収のまま終わっている。

 

例えば、阿漢の家庭は父が外省人・母が本省人という組み合わせで、しかも父が熱心なクリスチャン。この設定だけでも、一つの重厚なドラマが作れそうだが、映画はそこを追っていかない。

 

また、高校時代ラストのシーンでは、二人は列車と船を乗り継ぎ、澎湖の果ての砂浜へ行く。普通の映画なら、その土地に対する主人公の思い入れや必然性が示されるのだが、阿漢がなぜ澎湖に行きたがったのかよく分からない。「消失的情人節」で登場した嘉義縣東石の海岸のシーンは、必然性がわかりやすく示されていた。

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(こちらの「消失的情人節」のほうが、完成度は上だと思う)

 

このようになってしまう理由としては、この映画のストーリーが、監督の個人的体験にかなりインスパイアされたものであることに関係しているのでは?と推測している。

 

舞台が台湾中部のカトリック系の学校であること、学校で阿漢の相談となっている神父がカナダのモントリオールから来たこと、神父自身が同性愛者で社会との矛盾に苦しんでいたこと、など。

 

監督の中で深く了解され、訴えかけたいことが、観客にとって消化しやすいことより優先されてしまっている気がするのだ。

 

それでも僕は、この映画を結構推している。先に述べた「脚本・編集のアラ」が気にならないのであれば、号泣度100%は確実。実際、映画館でも後半になるとすすり泣きがあちこちから聞こえた。

 

これはひとえに、主演の二人の熱演が映画全体の細かなアラを流し去るくらいの熱量を持っていたことに尽きると思う。とにかく二人がお互いを見つめるときの表情そして目がすごくいい。互いに好きで好きでたまらない、というのが画面いっぱい伝わってくるのだ。

 

これはもしかすると、今となっては男女の恋愛劇では成立しづらいかもしれない。男女恋愛では、社会が二人を引き裂くとか、許されざる恋といったシチュエーションに現実味がない。だが、同性愛となるとそうはいかない。

 

戒厳令が解かれ、台湾社会は少しずつ自由な社会への歩みを進めることになるが、同性愛をめぐる状況が改善されていくのは、かなり後になってから。

 

阿漢もBirdyも、自分たちの関係がいずれ終わりを迎えざるを得ないことは痛いほど分かっており、だからこそ純度100%の恋愛感情に発展していったのでは?と思えるほどだ。

 

この作品で非常に優れているのは音楽だ。主題歌の「刻在我心底的名字」(←タイトルが「你」ではなく「我」なのが、いろいろ想像を掻き立てる)を歌うのは、盧廣仲。この歌がとんでもなくすばらしい。これ以上切ない恋愛ソングはないんじゃないか、と思うくらいピュアなラブソングになっている。

 

面白いのは、この歌が台湾トップクラスのシンガーソングライターである盧廣仲自身の作詞・作曲でないこと。「他人」の歌を歌うことで、歌が「二人のもの」になっていると思うのだ。

 

この歌は、もちろんエンディングでは流れるが、劇中でもう一回流れる。このシーンは必見なので覚えておいてほしい。

 

作品の質で言えば、これから見る予定の「無聲」や「親愛的房客」、「孤味」などの方が上だろう。

 

だが、俳優どうしの熱演がまるで化学反応のように光や熱を放つ、という点では、「必見」の映画に入れても良いと思う。日本での公開の可能性も高いと思われるので、機会があればご覧になっていただきたい。

 

 

台湾の小さな街を歩く40〜嘉義さんぽ2・林業と共に栄えた嘉義の昔を懐かしむ

こんばんは、のぶもんです。

 

嘉義さんぽも中盤戦に差し掛かります。ここからも、日本統治時代にゆかりのあるスポットが続々登場します。


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玉山旅社でリフレッシュした後は、徒歩ですぐ近くの「旧嘉義製材所」に移動します。

嘉義は日本統治時代から台湾でも有数の林業の町でした。そのため、製材所もかつては「東洋第一」と称されたくらい大規模です。敷地内に残っている建物もとても大きいです。


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こちらはかつての「動力館」をリノベした展示館。林業の関する展示だけかと思ったら、展示内容は結構自由。このちょっとしたアバウトさも台湾の施設を巡るときの面白さですね。

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こちらは器具工場「機具工廠」。この日は、中に入ってみることはできませんでしたが(このあたりは実際に行ってみないとわ分からないことが多いですね😅)、スケールの大きさは感じられました。


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【施設情報】
「阿里山林業村-嘉義製材所」
住所:嘉義市東區林森西路4號
開館時間:9:00~17:00(月曜火曜定休)

 

営林署跡から阿里山森林鐵路の車庫園區に移動します(といっても、すぐ向かいなのですが)。

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こちらが旅客服務中心。なかなか渋い建物ですね。


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こちらが服務中心の内部。パンフレットやちょっとしたお土産が並んでいますが、森林鉄道に関するビデオが随時放映されています。

 

これがかなり見ごたえがあります。日本統治時代の森林鉄道が走っている様子が見られるので、必見ですよ(^^)


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園区の中は割と自由に歩いて回れるようです。ときどき、ディーゼル機関車が構内を行ったり来たりしていましたが、近くで見ても良さそうです。(まあ、スピードはとても遅いので、危険は少ないですかね?!)


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車両が保存されている場所にも行けます。これはさすがに動態保存なのかな。


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おっ、蒸気機関車も展示されていますよ。


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構内は割と広いので、くまなく見て回ろうとすると時間がかかりそうですが、気が向くままのんびり散歩するだけなら、ちょっと立ち寄るだけでも大丈夫でしょう。

 

時間帯を確認しておけば、お客さんを載せた車両が通過していくのも見られると思います。

 

【施設情報】

「阿里山森林鐵路車庫園區」

住所:嘉義市東區林森西路2號

開館時間:8:00~18:00(原則無休)

 

 

さあ、少し日が傾いてきました。こちらもすぐ近くの「檜意森活村」に移動してみましょう。


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ここは日本統治時代、林業関係の職員が住む住宅が建ち並んでいました。一部の建物はかなり立派ですが、こちらは会社の幹部の住宅だそうです。

エリア内には何軒か特徴的な建物があります。まずはこちらから見てみましょう。この洋風のしゃれた建物は、旧營林倶樂部。ここは、営林関係の客人をもてなす施設でした。このときは、アーティストの作品展が開かれていました。

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次に訪れたのが、旧林務局局長宿舎。こちらは他の住宅に比べてかなり立派な建物です。中では、地元のアーティストの作品展が開かれていました。


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この廊下を見ても、しっかりした造りの宿舎であることが分かりますね。


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広い畳部屋。小規模の宴会ならここで開くことができたでしょうね。


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日も暮れてきて、閉館時間が近づいてきました。最後は、レトロカフェで少しゆったりした時間を過ごしたいと思います。


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檜意森活村には何軒かのカフェ・レストランがありますが、こちらの「森咖啡」もその一つ。嘉義のおすすめレトロカフェでは必ずと言っても良いほど登場する人気店です。


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窓際の席に腰をかけると、まるで縁側でのんびり休むかのよう。


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そして注文したのは、黒糖白玉かき氷。これがものすごいボリュームでした!お値段は少し高めでしたが、かなり満足できました。


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午後6時になり、閉館時間になりました。訪れたのは平日だったのですが、意外に観光客が多いのに驚きました。

 

嘉義の観光スポットは地味なところが多く、団体客が買い物できる場所が少ないように感じていましたが、檜意森活村がその役割を一手に引き受けているようです。

 

村内には、日本家屋を利用した土産物店や雑貨店がたくさんあるので、買い物欲旺盛な観光客も満足できますね。

 



【施設情報】
「檜意森活村」
住所:嘉義市東區林森東路1號
開館時間:10:00~18:00(原則無休)

この後は、嘉義の夜、そして翌朝をさらに堪能します。

台湾の小さな街を歩く39〜嘉義さんぽ1・街の中に残るレトロを感じ、雞肉飯も堪能する

こんにちは、のぶもんです。

 

今回は久々に、台湾南部まで足を伸ばしてリフレッシュしてきました。目的地は嘉義。台湾に比べて訪れる人もまだまだ少ない町ですが、実は懐かしさを感じるスポットが目白押しなんです。

 

台湾にお住まいの友人、小森さんにもご一緒いただき、目一杯散歩しようと思います。

 

では早速、街歩きを始めましょう。

 

最初に訪れたのが、嘉義公園エリア。ここはかつて嘉義神社があったところで、今でも部分的に遺構が残っています。

 

こちらは、すぐ隣の棒球場(野球場)。嘉義と言えば、映画「KANO」の舞台になった町。あちこちに、KANOに因んだモニュメントなどがあります。


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ブームも一段落し、今では訪れる人もまばらですが、かなり手の込んだモニュメントやオブジェ、展示物などがあって、一つひとつじっくり見たくなります。


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野球場の奥に、嘉義公園があります。ここは日本統治時代、嘉義神社だったところ。神社の本殿はなくなりましたが、いくつかの建物などの遺構が現存しています。

 

その一つが、こちらの市史蹟資料館(旧社務所)です。現在では「昭和十八J18嘉義市史蹟資料館」という名称になっています。

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社務所を見下ろす場所からは、狛犬や灯籠を見ることができます。

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こちらは、社務所の隣にある旧倉庫。風格がありますね。

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中に入ると、一部分は物販コーナーや食事処になっています。今回は、別のお店に行く予定だったのでここでは食事をしませんでしたが、メニューを見るとなかなかおいしそうでした。次回は、こちらで食事もしてみたいですね。

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それ以外の部屋は展示室などになっています。神社や嘉義の歴史に関する展示だけでなく、さまざまな作家の作品展なども開催されているようです。

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昔の写真も展示されていました。昔はこんな感じだったのですね。

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【施設情報】

「昭和十八J18嘉義市史蹟資料館」

住所:嘉義市東區公園街42號

営業時間:8:00~17:00(土曜は~20:00)

※月曜定休です


神社の面影を感じた後は、この日のランチへ。以前、友人に紹介してもらったローカルの小吃へ向かいます。

それがこちらのお店。名前は「簡単」ですが、味はなかなかのもの。正午少し前に行きましたが、すでに大混雑。近くに大学があるので、そこの大学生も食べに来るようですね。

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友人と一緒に頼んだのは、こちらのレパートリー。いわゆる火雞肉飯はまさかの売り切れでしたが、それ以外の雞片飯などは頼むことができました。どれも安くておいしいですね。

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こちらのお店は、台鉄の駅からはかなり遠いのですが、66番のバスが駅から出ているので(ただし1時間に1本だけです)、車やバイクがなくてもアクセス可能です(これは公共交通機関が不便な嘉義では重要。)

 

【店舗情報】
「簡單火雞肉飯」
住所:嘉義市大雅路二段581號
営業時間:8:30~20:30(火曜定休)

 

66番バスで小吃から次の見どころへ移動します。

 

やってきたのは、何とも懐かしい風情の駅舎。ここは、阿里山森林鉄路の北門駅です。


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阿里山森林鉄路は台鉄の嘉義駅のすぐ脇から

阿里山まで伸びる鉄道。嘉義の次の駅が北門になります。

 

台鉄の嘉義駅も日本統治時代の駅舎が残されていますが、こちらの北門駅も1912年建設のかなり古い駅舎です。


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そして、北門駅の駅前で静かに営業しているのが「玉山旅社咖啡」。築60年以上の古い建物はかつて、いわゆる「駅前旅館」として栄えました。

 

今では、カフェ兼民宿(なんと今でも宿泊可能です!)として嘉義の顔の一つになりました。


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店内に入るとレトロ感が満載。少し雑然としたお店の風情が、かえってリアルな雰囲気を醸し出しています。


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コーヒーや紅茶もありましたが、この日頼んだのは「蜂蜜檸檬」。そう、日本でもかつて流行した「はちみつレモン」です。優しい味わいで、暑さが厳しい嘉義さんぽでは丁度よい小休止になりました。


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2階に上がると畳のお座敷があり、こちらで飲食することもできます。


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この他に、本当に宿泊ができる昔ながらの客室が数部屋あり、今でも宿泊客がいるそうです。


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昔の家屋なので蚊がたくさんいますが、客室には蚊帳もありましたよ。蚊取り線香とセットで、昔ながらの嘉義の夜を過ごしてみるのもいいかもしれませんね。

 

 

【店鋪情報】

「玉山旅社咖啡」

住所:嘉義市東區共和路410號

営業時間:10:00~17:00(原則無休)

 

すでに盛りだくさんの内容になってしまいましたが、嘉義さんぽはまだまだ続きます。

台湾で台湾映画を見る:消失的情人節~消えたバレンタイン(仮題?)

こんにちは、のぶもんです。

 

先日、久しぶりに映画を見に行きました。台湾の秋は、質の高い映画が次々に公開される時期です。

 

台湾映画のアカデミー賞とも呼ばれる「金馬奨」にノミネートされた実力派の映画が次々と封切りになるんです。 

 

そんな中、多くの賞にノミネートされた作品が「消失的情人節」です。


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郵便局に勤める楊曉淇(ヤン・コウチーかな)は、仕事も恋もぱっとしないアラサー女子。彼女を密かに想うバスの運転手・阿泰は毎日のように郵便局を訪れ、わざわざ手紙を出しすのだが、楊曉淇からはちょっとヘンなあんちゃんぐらいにしか思われていない。

 

郵便局を訪れたイケメンダンサー・劉文森(たぶんヴィンセント)と親しくなった楊曉淇。彼にダンス大会に誘われた楊曉淇は、文森の話に乗せられ、彼にお金を騙し取られそうになる。

 

翌日、会場への路線バスに乗った楊曉淇。運転手は偶然にも阿泰!阿泰は、ふとしたきっかけで文森の悪巧みを知り、何とか楊曉淇を守りたいと思ったが、その時、阿泰以外時が止まってしまい、阿泰はあることを決意する・・・。

 

 

実は僕、この映画の出だしは結構退屈しました。アラサーダメ女子の冴えない日記、みたいな話が続き、「この映画、そんなに面白いかなあ?」とモヤモヤしていたんです。

 

もう一人の主役の阿泰は、郵便局に来ては少しキモい😅微笑みを残して帰るだけだし。。。

 

ところが、世界の時が止まってからの展開が、めくるめくジェットコースターのよう!中途半端に残されていた(ように見える)伏線も次々と回収され、しまいには涙が止まらなくなっちゃいました。

 

どんなふうなストーリーになるかは、いつか日本で公開されるときに映画館で見ていただきたいのですが、「自分なんて大した人生を送ってないなあ」とか「自分の価値なんてあまり感じられない」などと感じている人には、ぜひ見ていただきたいです。(自分も当てはまりました😅)

 

そして、もう一つの注目点は、嘉義縣東石という台湾の田舎が登場するところです。この場所が、様々な形でストーリーに絡んでくるので、こちらも注目してもらいたいですね。

 

この映画のすごいところは、郵便局とか路線バスといった、地味な仕事の代表例に挙げられがちな仕事が(途中から)、魂を吹き込まれたかのように、生き生きしたものに感じられる点です。

 

監督の陳玉勲は、僕が愛してやまない「熱帯魚」という映画でデビューした実力派。この「熱帯魚」でも、重要な役どころ(?)として東石の街が登場します。

 

この映画を見ると、きっと東石に行ってみたくなるでしょう。なので、東石の郵便局の地図を貼っておきますね。(東石の郵便局も映画に登場します)

 

金馬奨の有力候補なので、日本でも少なくとも来年の映画祭では上映されると思います。台湾に詳しい方には、クスッと笑える場面も続出ですよ。

 

ちなみに、台湾でバレンタインといえば、どちらかというと七夕の情人節のほうがメジャーだそうです。

 

 

【東石へのアクセス】

台鉄嘉義駅または高鉄嘉義駅から7211バスで朴子轉運站乗換、7233バスで東石バス停下車(かなり遠いので、時間に余裕を持ってお出かけくださいね)