のぶもん台湾さんぽ

台湾のあちこちに出かけたときの旅日記をつらつらと書いています。マイナーな街の紹介が結構多いです。

台中さんぽ5〜武徳殿が文化活動の拠点に、審計新村はレトロな原宿になる?!

こんにちは、のぶもんです。

 

台中一日さんぽも、ようやくラストスパート。日が傾いてきましたが、ここからは、元の使われ方からガラッと趣を変えた施設2箇所を見ていきましょう。


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まずは、こちらの風格ある建物から。これは、日本統治時代の1937年に建てられた「台中刑務所演舞場(武徳殿)」。

 

残念なことに2006年の火災で建物が消失してしまいましたが、なんと4年後の2010年に、もともとの工法をもとにして建物の完全修復を成し遂げ、広く公開されるようになりました。

 

現在では、「道禾教育基金会」が運営を担って、様々な活動を展開するようになりました。

 

正面から武徳殿を見ます。この威容の前だと、少し緊張しますね。


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敷地内にはいくつかの建物があります。こちらは、傳習舘。かつては長官が住んでいた宿舎だった建物で、かなり大きいですね。

 

僕が訪れたときは、館内のスペースを目一杯使って芸術作品展が開かれていました。内部は撮影不可だったので、写真はありませんが、かなり賑わっていましたよ。

 

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外観はこんな感じです。


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中庭にあたる場所では、若者たちがミニライブをやっていました。

 

ここは今では、日本時代を偲ぶというよりも、歴史的な積み重ねを土台にした地域文化空間に変貌を遂げているように思います。(だから、日本に特に興味のない台湾人も気軽に訪れているように思われます)


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そうなると当然(?)、屋台も登場。もちろん、園区の雰囲気に合わせて和風(風)の屋台やショップになっています。


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こちらは、心行館。日本建築がとても美しいですね。現在では、茶菓子を楽しめる飲食コーナーになっています。時間の関係で今回は入りませんでしたが、次回はここでゆっくりしたいな。


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台中にいるのを忘れてしまいそうですね。


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園区内では、ミニマーケットも開かれていました。バラエティに富んでいて結構楽しそうだったのですが、蚊がたくさんいて早々に移動してしまいました(^_^;)


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「道禾六藝文化館(台中刑務所演武場)」

住所:台中市林森路33號

開館時間:9:30~18:00(月曜のみ~17:00)

 

 

さて、台中さんぽもようやくフィナーレ。

 

「審計368新創聚落」に到着です。今、台中で一番アツいと言われるスポットですが、どんな感じなんでしょう?


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審計新村はもともと、戦後の台湾政府が、審計處(たぶん監査局だと思います)職員宿舎として建てた住宅群。

 

ご多分に漏れず老朽化が進み、次第に荒れていきました。そこで、台中市政府が、民間へ管理を委託して、たくさんのショップを誘致し、若者向けのオシャレスポットに大きく変貌を遂げました。


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よくよく見れば、戦後台湾でよく見かける、普通の公務員住宅なのですが、一棟ごとに個性的な造りになっていて、買い物がお目当てでなくても、リノベ空間を見に来るだけで十分楽しめます。


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日が暮れても、お店はまだまだやっているところが多いですね。暗くなってからも素敵なシーンがたくさんあるので、どの時間に来てもインスタ向けの写真はいろいろ撮れそうですよ。


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こういう空間には、こだわりコーヒーバリスタも必ずいますね。もちろん一杯買い求めて、台中ラストのコーヒータイムを楽しみました。


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しっとりとした落ち着きを持つレトロ空間を好む僕としては、あまりの賑わいに少しだけ居心地が悪かったというのが正直な感想。武徳殿の方がしっくりきたかな。まあ、週末の夕方というベストの時間帯に行ったのも影響していますね。

 

けれども、素材が持つ僅かな可能性を最大限に花開かせる台湾人のセンスの良さ、冒険心を体感するには最高の場所だと思います。

 

平日の午後あたりに来ると、歴史探訪派にとってもかなり楽しめるのでは?と密かに次回の探索計画も考え始めています。

 

 


「審計368新創聚落」

住所:台中市西區民生路368巷2弄12號

営業時間:11:30~20:30(原則無休)

 

 

最後に、台中駅でノリノリのライブが開かれていました。台湾の街角ライブと少し雰囲気が違うなと思って覗いてみると、ミュージシャンも観客も東南アジア系の人たちが中心。

 

台中ではあまり珍しい光景ではありません。ライブは楽しそうだけど(フィリピンのセブで見かけた街角ライブに近いノリです)、台湾人とはあまり関わりがない印象。

 

行政や文化活動グループあたりでは交流も増えているのでしょうが、街の普通の人たちの様子を見ると、お互いほとんど関わり合っていない気がします。

 

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台中に住んでいるわけではないので、実情を正確に捉えているかは自信がありませんが、これから、台湾人と東南アジア系の人々がいかに仲良く共生していくか、将来大きな課題になるのは確実。

 

台北や新北の一部では伺いしれない台湾の未来像に触れるためにも、これからも台北を飛び出し続けると思います。