のぶもん台湾さんぽ

台湾のあちこちに出かけたときの旅日記をつらつらと書いています。マイナーな街の紹介が結構多いです。

台湾さんぽ75〜彰化の街で日本の面影を追い求める

こんにちは、のぶもんです。

 

彰化の市内さんぽ。ここまでも、隠れた見どころがたくさん登場しましたが、後半はどのようなスポットが出てくるでしょうか?

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丘の上にある茶藝館から細い階段を降りていきます。坂道や階段の途中にも古い民家がたくさん残っており、散歩が楽しいエリアです。この写真だけ見たら、日本の昔の風景と間違えそうです。
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階段や坂が終わってたどり着いたのが「南郭郡守官舎群」。このあたりは、日本統治時代に台中州彰化郡の郡守(現在の市長に当たる)や役所関係者の宿舎が16棟も建てられたのだそうです。

 

今でも、かなりの建物が現存しており、歴史建築として保存・活用活動が盛んになっています。

 

下の写真は、家屋群の中でいち早く中が公開された「3號実験本屋」です。僕が訪れたときは閉まっていましたが、普段は短時間ながら開放され、中が見られるようです。
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こちらは、7號官舎。戦後も公務員宿舎として使われていたので、保存状態はどこも悪くなさそうです。
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すぐ横には詳しい説明書きがあります。中には縣定古蹟になっている建物もあるようです。f:id:funstudy-taiwan:20211229124444j:image
分かりやすく地図も掲示されていました。これほどの規模の住宅街を保存するには、市役所はじめ地元のみなさんの努力が欠かせなかったと思います。実は、前回登場した「1/2 room」 の女性経営者の旦那さんが、地元の大学で教鞭をとっており、この地区の保存活動に力を注いでいるとのこと。ご夫婦で彰化の文化の発展に貢献されているんですね。
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【施設情報】

「南郭郡守官舎群」

住所:彰化市公園路一段174號

開館時間:外観の見学は自由(地区内にある建物の開放日・時間等は現地で問い合わせ)

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南郭の日式住宅群からすぐのところに、これまた日本統治時代に建てられた武徳殿が残されています。今は剣道の練習以外で中に入るのは難しそうですが、立派な外観を見るだけでも訪れる価値があります。

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武徳殿の敷地内には、別の日本家屋が残っており、最近まで飲食店として営業していたのですが、どうやらコロナの影響等により営業中止になってしまったようです。状況が落ち着いたら、また新しいテナントに入ってもらいたいですね。

【施設情報】

「彰化武徳殿」

住所:彰化市公園路一段45號

開館時間:現在閉館中(2枚目の日本家屋に入居していた食堂も撤退してしまいました)


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武徳殿から徒歩数分。こちらの洋館は、日本統治時代に公会堂として使われていた建物です。今では、市の芸術館として活用され、ランタンイベントの際にはたくさんの個性あふれるランタンを眺めることができます。
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正面からの眺めも壮観ですね。この時はすでに閉館時間になってしまったのですが、次回は館内も見学したいです。

【施設情報】

「彰化藝術館(旧彰化市公會堂)」

住所:彰化市中山路二段542號

開館時間:9:00~17:00(月曜定休)


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こちらは、台湾の主な町には必ずある衣料品店「NET」です。しかし、よく見て下さい。建物が妙にレトロです。実はここ、日本統治時代に建てられた劇場「銀宮戯院」の建物をリノベしたものなのです。このエリアには、古い建物をうまくリノベした商店が多く、街をぶらぶら歩くだけでも楽しくなります。

【店舗情報】

「NET彰化一店(旧銀宮戯院)」

住所:彰化市中華路43號

営業時間:11:00~22:00(無休)


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その向かい側には、これまた古い校舎のような建物。ここは、日本統治時代に幼稚園だった建物で、つい最近まで韓国料理店が入っていました。残念なことに、今ではお店が撤退してしまったようで、次の引き受け手が決まるまでは内部に入れなさそうです。

【店舗情報】

「旧彰化第二幼稚園」

住所:彰化市孔門路30號

開館時間:外観のみ24時間
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彰化の町は、役所も古い建物を使っています。こちらは、警察署。四つ角に建つ正面部分は日本統治時代のもののようです。

【施設情報】

「彰化縣警察局彰化分局」

住所:彰化市民生路234號

開館時間:24時間


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こちらは、彰化市公所(市役所)。戦後すぐに建てられた建物で、微妙に日本建築の雰囲気と異なりますが、レトロ感は満載。とても令和の時代のお役所には見えませんね。

【施設情報】

「彰化市公所」

住所:彰化市光復路74號

開館時間:8:00〜12:00 13:00〜17:00(土日閉館)


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古い建物を見ようと歩き続けて、少し疲れてきました。彰化の名物の一つが「肉圓(バーワン)」。街の中には、たくさんの有名店がありますが、今回は市役所からも近いこの店に来ました。人気店だけあってお客さんが多いですね。
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こちらが看板商品の肉圓。もちもちとした食感の皮にたっぷりの肉餡。肉圓は上にかかるソースにより味わいがかなり異なるのですが、この店のソースは少しやさしめの味わいで、個人的に気に入りました。

【店舗情報】

「北門口肉圓」

住所:彰化市中正路一段494號

営業時間:11:00〜19:00(無休)


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北門口肉圓のすぐ近くにある、こちらのレトロな建物。これは「王長發商號」といい、このバロック様式の正面は日本統治時代に建てられたものです。実は奥には清朝時代に建てられた部分があるそうなのですが、今はカフェや飲食としては営業していないため、内部に入るのは難しくなっています。

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王長發商號から彰化駅を通って、少しずつ南下します。駅からほど近いエリアでも、路地裏を歩くととても風情がありますね。
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こちらは、彰化鐵路醫院。日本統治時代には、高賓閣という高級レストランだったそうです。最近になってリノベを終え、一時期は一般に公開されたこともあるのですが、今はまた閉鎖。外観のみ見学可能となっています。彰化には、簡単に見学できない優れた日本時代の建物が何軒もあるので、将来的にはこれらも公開されて、さらに街歩きが楽しくなるといいですね。
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さきほどの肉圓1つでは足りなかった僕。さらに南に少し歩いたところに、小さな食堂があります。こちらは「萬芳蛤仔麺」といい、彰化でよく食べられる控(正確には火へん)肉飯に、ちょっとレアなハマグリ麺をいただきました。
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これがまた、素朴な味わいでなかなか良いんです。値段もリーズナブルなので、街歩きに疲れたら、このようなローカル食堂で軽くお腹を満たすのも良いですよ。

【店舗情報】

「萬芳蛤仔麵」

住所:彰化市永興街13號

営業時間:8:00〜21:30(無休)


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実に長い一日でした。この日の最後を飾るのは、夜遅くまで営業しているカフェ「咖啡烟」です。地元では数少ない、深夜営業のカフェだからか、夜になってもお店は大盛況。
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実はこのお店も、日本統治時代の建物を使っているそうで、お店の方にいろいろお話を聞きたかったのですが、もしかしたら日中のほうが空いていて話しやすいかもしれませんね。いずれにしても、再訪したいお店の一つであります。

【店舗情報】

「咖啡烟」

住所:彰化市永樂街199號

営業時間:13:30〜23:00(木曜定休)


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いやあ、この日は充実感と疲労感がかなりのレベルに達し、本当に収穫の多い街歩きができました。彰化の中心部は、徒歩やバスでかなりカバーできるので、ぜひ一度、彰化さんぽにも挑戦してみてください。