のぶもん台湾さんぽ

台湾のあちこちに出かけたときの旅日記をつらつらと書いています。マイナーな街の紹介が結構多いです。

台中さんぽ4〜台中では日本統治時代の木造家屋が大活躍中!

こんにちは、のぶもんです。

 

台中散歩もようやく後半戦です。(すでに汗まみれ笑)

 

さて、ここからは、日本統治時代に建てられた木造家屋の活用例をいろいろご紹介したいと思います。

 

まずは、柳川のほとりに建つ「林之助紀念館」を訪れます。しっかりした門構えの入り口を抜けて、中に入ります。


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ところで「林之助」って日本人?それとも台湾人?実は台湾人の高名な画家なんです。「りんのすけ」ではなく「林さん家の之助さん」なんです。

 

林之助は、1917年台中生まれ。12歳で日本に渡り、後に日本帝国美術学校(現・武蔵野美術大学)で日本画を学び、数々の展覧会で受賞します。

 

戦後は台湾に戻り、台中師範学校(現・台中教育大学)の美術の先生となります。その時住んでいた宿舎が、この建物と言うわけです。


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宿舎は日本統治時代に建てられた師範学校教員宿舎。台湾で面白いのは、日本時代の教員宿舎には戦後も台湾人教員が住み、軍人官舎だと戦後も台湾人の軍属が住むという点。

 

国民党政府は、神社の本殿など、日本精神の支柱・象徴と考えられるものは徹底的に破壊しましたが、この手の官舎はほぼそのまま流用しているんですよね。

 

もちろん、当時としてはかなり立派な住居だったので使い続けたのでしょうが、国民党政府が当初資金的な余裕がなかったことも影響しているかもしれません。

 

それでも、住む人がきちんと使わなければ住居は荒れてしまいますから、戦後住んでいた台湾人がいかにこれらの日本家屋を大切にしていたかが分かりますね。

 

いつか、このような家屋に実際に住んでいた台湾人にお話を伺ってみたいです。


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純和風の部屋だけでなく、昭和の立派な洋間といった感じの部屋もありました。こういうお部屋って、昔はありましたよね。


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林之助は、台湾の美術教科書の編纂にも携わっています。


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今ではきれいに修復され、林の足跡をたどったり、記念品を買い求めたりできます。

 

台中の日本家屋の中ではややマイナーな存在ですが、こちらもぜひ見に来ていただきたいですね。


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「林之助紀念館」

住所:台中市西區柳川西路二段158號

開館時間:11:00~17:00(月曜火曜定休)

 

 

林之助紀念館から歩いて5分ほど。今度は、何軒もの日本家屋がまとまって保存されているスポットに行きましょう。それが、「台中文学館」です。


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こちらは、1932年に建てられた警察官舎。現在は計6棟が保存され、文化スポットや飲食店になっています。

 

例えばこちらの児童文学館。絵本がたくさん用意され、子どもたちが楽しく遊びながら本に触れられる施設になっています。


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その隣では、映画やドラマ・演劇に関する展示がありました。昔のドラマかな?と思ったら、なんと今を時めくミュージシャン・盧廣仲がドラマ初主演した「花甲男孩轉大人」に関するもの。遠目には往年の名ドラマの資料に見えます(^_^;)


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さらに別棟では、台中生まれの文筆家・社会活動家の呂赫若の展示もやっていました。

 

台中は日本統治時代から台湾人による文壇活動が盛んなところで、多くの文学者を輩出したのは、台中人の誇りでもあるのだそうです。
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この文学館は、意欲的な展示を次々企画して、何度行っても面白いですね。

 

こちらは、飲食スペース。現在は「NMU幸卉文學咖啡」というお店が運営しています。以前は違うお店が入っていたのですが、無事に後継者が見つかったのですね。(こういう歴史施設で長期間飲食店を営むのはかなり難しいようなので)


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ここは以前来たことがあるので、今回は軽く表敬訪問しています終わりましたが、すべての建物をきちんと見たら1時間以上かかると思います。

 

展示もエッジの効いたものか多く、実は密かに強くおすすめしたい施設ですね。

 

「台中文学館」

住所:台中市西區樂群街38號

開館時間:10:00~17:00(月曜定休)

 

 

さて、もう1軒くらいは、お茶を飲んでいます休憩したくなってきました。そこで、ここもまた日本家屋を使ったカフェ・レストランに行ってみようと思います。


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日本でもかなり少なくなった、平屋の日本家屋。「解憂老宅」は100年の歴史を持つ日本家屋をリノベしてカフェ・レストランとして蘇ったお店です。

 

この写真では空いているように見えますが、閉店30分前くらいまでは店内は大混雑。家族連れでごった返していて、とても賑やかでした。


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半分は板の間になっていますが、畳の座席も残されています。空いていたら、こちらで寛ぎたいですね。


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おしゃれカフェとしても有名になったようですね。「映える」アングルがたくさんありました。


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台中は、知る人ぞ知るカフェの激戦地。味で勝負の名店から、雰囲気が売りの素敵な店まで、選り取り見取りです。宮原眼科や虹村もいいですが、街に根付いた個性派カフェにも足を運んでもらいたいです。

 

「解憂老宅」

住所:台中市西區自治街36號

営業時間:9:00~17:00(土日は~18:00)

※月曜火曜定休

 

 

いかがでしたか?

 

日本人にとって懐かしい建物がたくさん出てきました。このあたりは、頑張れば台鉄台中駅から歩いていけるので、台中さんぽの際にはぜひ候補に入れてください。