こんにちは、のぶもんです。
先週の日曜日に、花蓮の文創園区で開かれている、ドラマ「茶金」の記念展を見てきました。そして、歴史ドラマの土台を支える美術・セットのスタッフによるティーチインにも参加してきました。
1.花蓮文化創意園区とは
花蓮市の中心部にある「花蓮文化創意産業園区(通称:文創園区)」。ここは、日本統治時代の1913年に酒工場が建てられた場所です。それ以来、工場はどんどん増設されましたが、太平洋戦争の空襲にて大きな被害も受けています。
戦後は国民政府に接収され、引き続き酒工場として稼働。その後工場が手狭になり、郊外に移転しましたが、2002年には歴史建築に指定。現在では、産業遺産の文創園区として市民に公開されています。
2018年の花蓮地震ではかなりの被害を受け、コロナ禍でも休館を余儀なくされることもありましたが、今では営業を再開し、市民の憩いの場として利用されています。
2.ドラマ「茶金」とは
一方、2021年の11月から6週間にわたって台湾の公視電視台にて、ドラマ「茶金」が放映されています。このブログを書いた時点では第6話まで終了。
新竹縣北埔で大きな茶業会社を営む張家。この裕福な家に育った令嬢・薏心を中心に、彼女が激動の戦後台湾そして有象無象の茶業の世界でどう生き抜いていったかを描く人間ドラマ。
薏心の奮闘だけでなく、彼女を取り巻く人々の人間模様も生き生きと描かれ、なかなか面白いドラマになっています。北埔は客家人が多く住むため、ドラマでも客家語がたくさん使われ、その意味でもとても注目されています。
張家のモデルとなった姜家の邸宅「姜阿新洋樓」が、ドラマで毎回のように活用されているのも、北埔を訪れ、同邸宅を訪問した者としては、懐かしい限りです。
3.新竹縣北埔から遠く離れた花蓮で何故イベント?
さて、今回訪れているのは花蓮です。茶金の舞台・北埔からは遠く離れた台湾東部。なぜ、この地で茶金のロケが大々的に行われたのか?実は、花蓮文創園区の工場跡地が、茶金の撮影にうってつけだったんです。
茶金の撮影で欠かせないのが、日本統治時代から戦後台湾にかけての雰囲気を出せる工場やオフィス。この条件に叶う建物は台湾でもなかなかありません。
そこで白羽の矢が立ったのが花蓮文創園区。工場は1915年から順々に建てられ、ドラマに合う建物をそこから探し出すことができたと言う訳です。
4.現地でのティーチ・インとミニガイドツアー
花蓮文創園区では、茶巾の放映に合わせて、ドラマのセットを公開したり、各種ティーチ・インなどのイベントを続々開催しています。
11月28日(日)は、14時から1時間ほど、美術担当のスタッフによるティーチ・インが行われました。
茶金展覧会場のうち一棟の後方がイベント会場になっています。
美術・セットのスタッフさんだけあって、スライドを多用した説明が次々と進められていきます。正直、専門的な中国語になるとちんぷんかんぷんなのですが、ビジュアルの説明と絡めて、なんとかある程度理解できました。
話を聞いていると、これだけ大規模なドラマのセットを作るのに、細部までこだわって魂の入ったものを作っていたんですね。ドラマを見るだけでは伺いしれない努力・苦労が感じられました。
ティーチ・インの後は、登壇のお二人が会場の棟の2階セットに上がり、要所を直々にレクチャーしてくれました。
(これは、薏心の父で社長の張福吉のデスク。机の上に置かれている缶は、かつて実在した紅茶と烏龍茶のパッケージ。僕も両方とも持っています)
いかがでしたか?この茶金展は、12月26日まで花蓮文創園区で開催されます。もし、それまでに花蓮へ旅行に行く機会のある方は、是非この展覧会も覗いてみてくださいね。