裏九份・祈堂老街。元鉱山町だけあって、そこかしこに鉱山時代の面影が残っています。
一枚目の写真は、「老礦工的店」というなんともレトロな店です。写真のアングルでは、雑貨店(?)が見えますが、隣は食堂になっています。
さらにその脇の入口にはカフェの表示が。気になって、中に入ってみました。
そしたら・・・、何なのでしょう!この時が止まったような空間は!
机は、旧型のミシンを改造したもの。高さがちょうどいいんでしょうね。
ここで、ドリップコーヒーを淹れてもらいました。オーナーの娘さんが、丁寧にドリップしてくれます。
ここはかつて、鉱夫たちの下宿として繁盛していたようです。薄暗い部屋の中で、鉱夫たちは何を思い、生きていたのでしょうか?
こちらが食堂部門。お客さんはまあまあ入っていますね。ここでは、紅麹を使ったチャーハンがおいしいらしいです。次回は試してみますね。
さて、こちらは、太平洋戦争中にこの地に連れてこられた外国人の捕虜たちを慰霊するための碑です。戦況の悪化に伴い、台湾で産出される鉱産資源は大変貴重なものに。労働力不足を補うために使われたのが、彼ら外国人捕虜だったんです。
今でこそ、平和な観光地として賑わっていますが、鉱山と軍事は切っても切れない関係。急遽動員したため、設備が追いつかず、南国特有の伝染病などで亡くなった者も多数いたそうです。
あの戦争の評価は人によってまちまちなのでしょうが、このように多くの一般人が大した処置も受けられずに死んでいった現実は消すことができません。皆さんも、この地を訪れたら、立ち寄っていただきたいです。
老街の中心部に入っていきましょう。静かでしっとりした落ち着きを感じさせます。いやら、九份だってかつてはこんな感じだったかもしれませんね。
ご多分に漏れず、ここも過疎化が進んでいます。廃墟となった空き家も多数。幻想的な、うらぶれた雰囲気を増幅させています。
この老街には、駄菓子屋さんがあります。祈堂小巷カフェの目の前にあるのですぐ分かります。昭和の駄菓子屋の雰囲気がよく残っていて、お客がちょこちょこ訪れては、駄菓子をちょこちょこ買っていきます。台湾の駄菓子屋も雰囲気は日本に近いですね。
この駄菓子屋さん。店番をしているのは御年80歳を超えるおばあちゃん。日本語をある程度話せるので、このあたりが賑やかだった少女時代のことをあれこれ語ってくれました。昔は、貸本屋をやっていたこともあるそうです。
写真を撮りたいと申し出ると、「今日は化粧もしていないし、体調も良くないならダメ。元気になったらまた来てね」とのお返事。そのとき、おばあちゃんの姿に、遥か昔の店番をする少女の姿が重なりました。
分かりました!また、近いうちにお写真を撮りに来ます!ぜひ、お元気になられてくださいね。
この老街にも何軒かカフェがあります。どれも雰囲気がよく、長居したくなるお店ですが、お値段は少し高め(観光地なので仕方ないですが)。駄菓子屋のおばあちゃんは、飲み物が高すぎて行かないそうです(^_^;)
その辺りから階段を上がると、黄金博物館の裏手に到着です。
実は、黄金博物館からスタートしてこの日のルートで散歩をして、勸濟堂まで行っても構いません。
どちらも夜は何もやっていませんから、その時間に九份に移動して夜景を楽しむのもいいですね。
今の九份のように賑やかすぎると大変ですが、祈堂老街には、もっと観光客が訪れていいと思います。
アクセスも案外良いので、次回の台湾旅では、こちらも候補に入れてみてください!