のぶもん台湾さんぽ

台湾のあちこちに出かけたときの旅日記をつらつらと書いています。マイナーな街の紹介が結構多いです。

金門島旅行記7〜自然と軍事のアンバランス

こんにちは、大雄(だーしょん)です。

 

金門島の旅は、興味を惹かれることばかり。でも、その中でやっぱり驚かされるのは、自然や素朴な風景と、ものものしい軍事遺構のギャップ。これだけ軍事ものが続く旅は、滅多にありません。

f:id:funstudy-taiwan:20181203222346j:image

1日目の夕方に訪れたのは、古寧頭戦史館。古寧頭戦役を記念した資料館です。ここ古寧頭では、1949年10月に中国人民解放軍が上陸したものの、旧帝国陸軍根本博中将らの指導により、中華民国軍が人民解放軍に勝利し、金門島を死守した場所なんです。
f:id:funstudy-taiwan:20181203222420j:image

その少し先にある北山断崖。ここには、かつて中国大陸向けにこの巨大なスピーカーからプロパガンダ放送が連日流されていました。

 

当時は、台湾の方が経済的に豊かで「こちらに来れば、豊かで自由な生活が待っている」などと大音量で放送されていたんですね。今でも、観光用に放送は続いていますが、対岸の厦門も急速に経済成長を遂げています。むしろ金門島のほうが、時代に取り残されている雰囲気を持っていますね。。。
f:id:funstudy-taiwan:20181204133703j:image

北山には、歴史的にも貴重な洋館が残っています。それがこの北山古洋樓。華僑が建てたこの洋館は、古寧頭戦役では大攻撃を受けました。
f:id:funstudy-taiwan:20181204133749j:image

まるで廃墟のようになっていますが、実は部分的に民宿になっており、宿泊が可能です。こんなところに泊まったら、往時の苦しい戦いを偲ばずにはいられないでしょう。
f:id:funstudy-taiwan:20181204134241j:image

弾痕の跡が当時のままに残されています。
f:id:funstudy-taiwan:20181204134318j:image

初日最後に立ち寄ったのは、慈湖三角堡。ここも対岸から非常に近い場所なので堡塁が作られ、兵士が暮らしつつ、対岸の警戒に当たっていました。
f:id:funstudy-taiwan:20181204134359j:image

中はまるで戦艦のよう。やや複雑な作りで、かなりの兵士を収容できそうです。
f:id:funstudy-taiwan:20181204134446j:image

この狭い窓から、じっと対岸を見続けていたんですね。
f:id:funstudy-taiwan:20181204134524j:image

浜辺は、大陸に向けて砲弾がたくさん敷設されています。辺りはのどかな自然保護区。豊かな自然の景色と、軍事遺構の数々。うーん、やっぱり違和感が残ります。
f:id:funstudy-taiwan:20181204134559j:image

興味深いスポットが目白押しの金門島。でも、豊かな自然や素朴な村の景色を見るにつけ、どうしても複雑な気分になります。こんな場所で、かつて激しい戦闘が繰り広げられていたなんて。。。

 

ちょっと変わった気分になる旅は、まだまだ続きます。