のぶもん台湾さんぽ

台湾のあちこちに出かけたときの旅日記をつらつらと書いています。マイナーな街の紹介が結構多いです。

金門島訪問記3〜国共対立の足跡をたどる

こんにちは。だーしょん(大雄)です。

いきなり、牛肉の話ばかりしてしまいましたが、もちろん金門島で外せない観光ポイントは、国民党軍と共産軍の戦跡です。中華人民共和国成立以来、中国と台湾は全面戦争になったことこそありませんが、ここ金門島では実際に数多くの砲弾が飛び交いました。

 

それらの跡を少しずつ巡っていこうと思います。
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【八二三戦史館】

1958年に勃発した金門砲戦(八二三砲戦)。ダレス米国務長官の台湾訪問を控え、中国軍が猛攻撃を仕掛けてきました。打ち込まれた防弾は47万発。587名が殉職した激しい戦いですが、中華民国軍は攻撃に耐え抜き、ついに金門島を死守することに成功します。

 

台湾にとっては、今の金門島ひいては台湾の読率を守り抜いた輝かしい戦績なわけです。f:id:funstudy-taiwan:20181117171457j:image

館内では、様々な展示物が見られますが、もちろんオール軍事。ある程度はすぐに分かりましたが、細かな内容については初めて知ることばかり。しっかり理解するには、じっくり時間をかけて見学する必要があると思いました。

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すぐ目の前には、兪大維先生紀念館も建てられました。こちらは、八二三砲戦のとき最前線の金門島に何度も視察に訪れた豪傑の軍事大臣・兪大維を記念したものです。

 

かなり、波乱万丈の人生だったようで、館内の蝋人形を見ると、マッカーサーのようなアメリカ仕込みの風情も感じられます。f:id:funstudy-taiwan:20181118194026j:image

最近の台湾では、壁アートが盛んですが、中華圏では壁にびっしりとスローガンを書き込み、国民を鼓舞する風景はどこでも見られました。

 

これは、三民主義の光が中国大陸を照らしている図ですね。こういったプロパガンダ作戦が両岸で展開されていました。

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【獅山砲陣地】

お次はここです。まず、入口の迷彩が物々しい感じです。

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こちらは1969年に完成した陣地で、中には「震東坑道」と呼ばれるトンネルがあります。観光客に人気なのは、大砲の発射実演が行われること。今では、観光客相手のアトラクションですが、対岸に非常に近い場所にあるので、当時の緊張感たるや、とてつもないものだったでしょう。

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そして、砲台まで出ると、海(そして対岸)を眺めることができます。台湾人にとっては、多かれ少なかれ感慨を抱く場所なのだと思います。

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途中立ち寄ったの海はこんなにきれい。でも、かつてはここで砲弾がバンバン飛び交っていたんですよね。

 

かつての中華民国軍の兵士たちは、厳しい訓練や任務の間、どんな思いでこの風景を眺めていたのでしょうか。

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とにかく戦跡ばかりでびっくりです。次回は、さらにいろいろな戦跡や景勝地を見ていきたいと思います。あの、有名な歌手のエピソードも出てきますよ。