のぶもん台湾さんぽ

台湾のあちこちに出かけたときの旅日記をつらつらと書いています。マイナーな街の紹介が結構多いです。

金門島旅行記10〜金門と外界との関わり

こんにちは、大雄(だーしょん)です。

 

金門島シリーズ、なかなか終わらないですね。今回は軍事ネタではなく、金門島の違った一面をお届けしようと思います。
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2日目の昼。小金門から帰ってきた一行は、金城老街でランチ。そして、老街のはずれにあるに行きました。ここはかつて明代に「叢青軒」という書院だったのが、清代に「将兵署」となり、辛亥革命後は金門県政府などとして使われて、現在ではゆったりとした空間を持つ展示館になっています(もう、歴史の生き証人状態です)。
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中央が広場のようになり、周囲を取り囲むように様々な展示が。台湾本当以上に、古くから中国大陸との関わりが深いことが見て取れます。まあ、中華人民共和国成立までは、何も隔てるものがありませんでしたからね。
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さあ、ここからは再び車に乗り、見どころを回ります。まずは、莒光樓。そう、台湾鉄道の急行の名称と同じですね。この莒光という言葉。もともとは「毋忘在莒・光復大陸」という中華民国最強のスローガンから来た言葉なのですが、ここは金門砲戦で金門を守り抜いたことを顕彰すべく建てられました。f:id:funstudy-taiwan:20181214191855j:image
中のホールは、レトロな作りです。3階には金門砲戦で陣頭指揮を取った胡璉将軍の展示も。今では金門島名物となった高梁酒も、この将軍が深く関わっていたそうです。当時、農業不毛の地と言われていた金門でお酒が作れるようになったのは、金門の発展にも影響したでしょうね。
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こちらは何だろう?どうやら金門の廟のお祭りのようです。しかし、へそ踊りとはすごいですね。同じ中華でも、台湾の廟のお祭りとはまた違う雰囲気があります。
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そして、沖合には小島があり、なんと鄭成功の像が見えます。干潮時でないと歩いて渡れるそうですが、僕たちが訪れた時間帯は残念ながら渡れず。ここでも鄭成功は中国大陸の方向を向いて立っているそうです。
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次へ行きましょう。

 

いろんな時代の遺構がどんどん出てきますが、こちらは中華と洋風建築が混ざったような建物が見えます。ここは、水頭洋樓群。今までのバリバリ中華風の建物とは趣を異にします。
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各棟の作風や色合いが少しずつ、違うものの、どれもハイカラな空気に包まれています。

 

金門島では、古くから華僑として南方に出稼ぎに出て、故郷に豪邸を立てることが多かったようです。まさに、「故郷に錦を飾る」ですね。
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ところで、この洋館群には売店・ドリンクスタンドがあるのですが、そこでは蒋介石だけでなく、毛沢東をあしらったドリンクもあります。

 

さすがに台湾本島では未だにご法度なものが、金門島では比較的自然に「ネタ化」しています。半分はギャグでしょうが、半分は本気で抵抗感が少ないのかもしれません。
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洋館群の中になんと小学校が!ただし、この建物は現役ではなく、資料館として保存されています。
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教室の中。昔の木造校舎はこんな感じてしたね。校舎の中の雰囲気は日本にも似ています。
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展示も多くて、いかに金門の人々がフロンティア精神を持っているかが分かってきます。
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交通不便な集落ですが、ぜひ時間をとって訪れてもらいたいです。

 

金門というと、どうしても砲弾戦などのイメージばかり目立ってしまいますが、歴史的にも文化的にも非常に面白い場所ですよ(^^)