のぶもん台湾さんぽ

台湾のあちこちに出かけたときの旅日記をつらつらと書いています。マイナーな街の紹介が結構多いです。

秘湯旅行~南投縣廬山温泉を探索する

1. 友人に紹介された温泉に何の気なしに行くことにした

 最近、1泊2日の旅行に行くことがしばしばある。土曜日に仕事があるため、週末をまるまる使うことはできないが、土曜の仕事が早く上がれるときは、台湾東部や中南部への旅を画策する。今回は、ずいぶんご無沙汰だった南投縣埔里に行くことにした。

 埔里ではなじみの宿「ゲストハウス・プリ」に泊まった。オーナーの渡部さんは埔里や周辺の見どころや自然にとても詳しく、埔里に来るたびに色々教えてもらっている。その渡部さんおすすめの温泉が「廬山温泉」だという。野趣あふれる温泉という話を聞き、せっかくここまで来たのだから、ゆったり温泉に浸かってくるのも面白かろうということで、ゲストハウスに泊まった翌日は、午前中から温泉に行くことにしたのだ。

廬山温泉で最も有名な吊り橋のたもと。温泉情緒がたっぷり

2. 山深く情緒のある温泉のようだが・・・

 埔里から南投客運のバスで約50分。廬山温泉に到着する。ここまでの道のりは迫力の大パノラマの連続だった。ものすごく深い谷にヘアピンカーブの連続。バスに乗っているだけで崖に吸い込まれそうな気持になってくる。(そう、僕は高所恐怖症なのだ)

 途中の集落で地元の人はみんな降りてしまい、終点の温泉まで乗り通したのは僕一人だった。車で来るのが一般的だろうと思いつつ、日曜午前中のバスが貸し切り状態だったことに少し不安を覚える。

温泉行のマイクロバス。帰りのバスは大きかった

3. レトロな雰囲気の吊り橋発見!しかし・・・

 バス停から温泉街をのんびり歩いていく。うーん、確かに日本の山間部の温泉の景色に似ている気もするのだが、一言で言えば「さびれている・・・」。なんと、営業しているホテルのほうが少ないのだ。営業しているホテルもお客がほとんどいない。フロントマンもどうにも手持ち無沙汰だ。

温泉街のメインストリート。日曜なのに歩く人の姿は少ない

 お昼前の時間帯とあって、食堂も開いてはいるが、暇そうにしている。水着屋が何軒もあるのは、台湾の温泉地の特徴。多くの温泉が水着着用のため、慌てて水着を温泉街で買う需要があるのだろう。

温泉街の食堂。グループで来たほうが色々食べられる

 川のたもとにやってきた。すると、なんとも風情のある吊り橋があるではないか。ここは、廬山温泉の紹介写真でも良く出てくる場所。現地に立つと、なかなか良い雰囲気で、日本時代からの趣が残っているように思えた。

廬山温泉の吊り橋

 吊り橋のたもとには、ひっそりと餅菓子屋が営業していた。ここも有名なお店のようで、看板の謳い文句は「蔣院長説、好吃!好吃!」。なんと、かつて蔣經國が行政院長の時代にここを訪れて、こちらも櫻花麻しょを気に入ったというのだ。今の若者に「蔣院長」と言ってもピンとこない人が多いだろうが、かつては庶民派のイメージで結構人気があった蔣經國のことをよく覚えている年配の人たちにはアピール効果あり?!

吊り橋のたもとにある櫻花麻糬のお店。なかなか良い感じだ

蔣院長とは蔣經國のこと。この人、あちこちのローカル店に出かけている

 それはまあよい。問題はこの吊り橋だ。古い吊り橋なのか、結構揺れる。両脇の柵が思ったより低く、お腹の真ん中がきゅうっと縮む嫌な感じ。僕は高所恐怖症なのだ。激しくビビっているのを周りの人に悟られないようにして、足早に向こう側に渡った(ふう)。

4. 蔣介石も大好きだった秘境温泉は日本時代に起源

 吊り橋を渡っても、まだまだ温泉街が続く。土産物屋のおじさんが小米酒の試飲を勧める。いろいろな味のお酒があり、なかなかおいしい。結構セールスが熱心だが、まだまだ先を急ぐので「帰りに寄るね」と言い残して店を立ち去る。その先には、まだ稼働しているホテルの周囲で桜がたくさん咲いている。ただし、花の色は濃いピンク(といえばいいのかな?)。日本のソメイヨシノの色合いとはかなり違う。

実は2月上旬は、廬山温泉では桜のシーズンだった

 実は、ここに蔣介石が建てた別宅がある。今は廃墟になっているが、日本家屋風の木造建築で案外質素なつくり。餅を気に入った蒋經國だけでなく、蔣介石もこの温泉がお気に入りだったようなのだ。

蔣介石の別宅は意外と質素だった

 廬山温泉は、日本統治時代の1940年ごろから開発が本格化した温泉で、日本が入植する以前から統治に住む原住民・セデック族によって温泉があることが知られていた(当初の名前はマヘボ温泉)。日本時代に「富士温泉」に改名され、日本時代は「明治温泉(現谷關温泉)」「桜温泉(現春陽温泉)」とならぶ台湾中部三名泉と称されたようだ。

 泉質がとてもよく、まだまだ発展の余地はあったのだが、近年の度重なる大水害により、この温泉は廃止され、住民はふもとの安全なエリアに移転することが決まった。やたらと廃墟となったホテルが多いのは、この廃止決定によるものだという。残ったホテルが細々と営業しているが、将来強制的な立ち退きという事態もあり得なくはない。そう、ここはいつ幻になってもおかしくない非常にレアな温泉なのだ。

飲食店や土産物店で今でも営業しているところは少ないようだ

 言われてみると、廬山温泉に来るまでの谷は想像以上に険しく、集中豪雨にでも襲われたら、壊滅的な被害を受ける可能性もあるだろう。僕も、雨が降っていたら、ここまで来なかったと思う。

川沿いのホテル群。よく見ると低い部分が洪水で破壊されたままになっている

5. 山道のどん詰まりにあったものは・・・

 僕もこれまでそれなりに多くの温泉を訪れたが、こんなに廃墟感たっぷりの温泉に来たのは初めてだ。道はさらに奥に続く。少しずつ崖が迫ってきており、人がすれ違うのがやっとという狭さの道を歩き続けて、山肌に張り付くように立つ建物が目に入ってくる。これが、本日の目玉商品である「廬山温泉頭」である。

温泉頭までの山道は結構スリリング

はるか向こうに見えるのが温泉頭

 建物の入口にあるブザーを押すと、温泉のおかみさん?が出迎えた。「足湯だけなら50元、風呂に入るなら250元よ」・・・ネットで上がってくる情報には50元のことしか書かれていない。しかも、どの情報もコロナ前のもので、最近の状況は行ってみなければわからない状態だった。

ここが入口。横の呼び鈴を押して、中に入れてもらう

 あまり快適そうとは言えない雰囲気の温泉だが、一応脱衣所があり、ここで水着に着替えて温泉に浸かることができる。お湯が流れ出てくるところは、緑が買った色に変色しているが、お湯はいたってノーマル。少し大きな風呂は40℃だと言われたが、実際は42℃くらいだと思う。小さいほうの風呂は47℃だそうだ。こちらは熱すぎて結局入れず。台湾人は足湯や食事しかしないらしく、温泉風呂は終始貸し切りだった。現代風のきれいなSPAに比べればかなり見劣りがするが、自由きままな一人旅なら、このくらい野趣あふれるほうがスッキリしていてよい。谷底でもお湯が出てくるようで、若者のグループが河原で気持ちよさそうにお湯に浸かっている。

なかなかワイルドな感じの温泉。台湾人は入ってこない

 小一時間ここでのんびり過ごして、階上の食堂に行ってみる。これがまたうらぶれた感じで、昭和の香りが満載だった。傍らにはお湯が用意され、ここでは温泉卵ができるという。せっかくなので、1個(20元)茹でてもらう。温泉卵なんて、何年ぶりかなあ。15分くらいたってようやくゆで卵の出来上がり。これが意外とうまい。ほかにも料理があったのだが、バスの時間が近づいてきたので、ゆで卵だけで退散した。実はこの食堂では、ハンドドリップコーヒーも飲める。これは帰りがけに気が付いたので、また来る機会があれば、そのときにゆっくり飲んでみよう。

お湯の温度は70℃以上。小さなやかんに卵を入れてゆでる

何の変哲もないゆで卵だが、温泉で茹でたかと思うと一層おいしく感じる

6. お勧めしづらいけど、一度は来てみても良いかも

 廬山温泉は、泉質はとても良いようで、水害の可能性がなければ台湾湯数の人気温泉地になったと思う。現に、大水害の前まではそうだったらしく、何軒もの大きなホテルの廃墟がかつての賑わいを物語っている。現に、雨さえ降らなければ、絶景を楽しみながら温泉を楽しめるなかなか良いスポットなのだ。とはいえ、政府がこの温泉の廃止を正式に決定しており、住民(今、どのくらい残っているのかわからないが)の移住、ホテルのさらなる廃業は避けられないだろう。

 廬山温泉へは埔里からバスが1日に10本以上やってくる。交通アクセスは案外良いのだ。接続が良ければ、台北から高鐵で台中へ、そこから高速バスで埔里へ、さらにバスを乗り換えて温泉まで合計2時間半で来ることができる。万人向けとは言えないが、現地で気象条件の情報収集がしっかりできる人であれば、一度訪れてみても損はないと思う。

 できれば、お土産に蔣經國が気に入ったという「櫻花麻糬」を買って、相当親子をも魅了した当地の魅力に思いを馳せてほしい。

 

花蓮のお気に入りスポットをまとめて再訪!

こんにちは、のぶもんです。

僕はときどき無性に花蓮に行きたくなり、出かけてしまいます。いつもはまだ行ったことがないスポットを中心に回ることが多いのですが、今年一月は、今まで行ったお店やスポットだけを訪れてみました。

台北から莒光號に乗って、約2時間。まずは新城駅に降り立ちます。この日は1日じゅう良い天気で、バックの山とのコントラストが美しい新城の駅舎が良く映えています。

台鉄新城駅。背後に太魯閣渓谷の険しい山が見える

1.新城でぜひ立ち寄りたいお店・練習曲書店

 新城の駅から徒歩15分。新城の集落の中心にやってきました。ここで目指したのは、「練習曲書店」。もともとは古本屋さんだったお店が、地域の文化活動をサポートしたり、地元の子供野球団の面倒を見たりと、新城という小さな町の活性化の支えとなっている会社となり、メディアでも取り上げられることがあります。

 ここでは、コーヒーやお土産品も販売しており、太魯閣を訪れる人がコーヒーを求めに立ち寄る姿も見られます。

シンプルな外装の練習曲書店。この窓口でコーヒーも買える

 店内に入ると、そこには所狭しと書棚に並べられた本、本、本。ここでは貸本も受け付けていて、お気に入りの本があったら、3ヶ月間借りられるそうです。僕も以前、本を借りたことがありますが、3ヶ月後に再訪する良い口実になったのを覚えています。

どれから読むか悩んでしまいそう。練習曲書店の本棚

【練習曲書店】
住所:花蓮縣新城鄕信義路252號
営業時間:9:00~18:00(無休) 
https://sway.office.com/0OZCa4xIvPSpZf1H?ref=Link&loc=play


2.新城にあるちょっと不思議な神社

 練習曲書店の目の前に、神社の鳥居らしき建造物があります。これは、日本統治時代に建てられた新城神社の遺構で、今では、戦後ここに入居した教会が管理をしています。かなり立派な鳥居で、奥のほうに教会の建物(こちらも年代ものです)が建っています。かつての本堂は取り壊されていますが、引き続き宗教施設として使われているためか、独特の空気感を保っています。

かつての新城神社の敷地には、今では教会が建つ

【新城神社遺址】
住所:花蓮縣新城鄕博愛路64號
営業時間:24時間見学可能

新城から再び列車に乗り、花蓮に到着です。駅前はすっかり様変わりして、新しい駅舎も周りの風景にだんだんなじんできたようです。現在は、駅前に大きなバスターミナルが建設中。ローカルバス、長距離バスともに発着するようで、交通アクセスが改善されていきそうですね。

斬新で巨大な花蓮駅の駅舎。慣れてくると背景の山並みともマッチしてきた


3.花蓮一のイベントスペース~花蓮文化創意産業園区

 花蓮市の市街地は、台鉄の駅からかなり離れており、タクシーかバスで移動するのが便利です。そんな市街地の中心部にあるのが、花蓮の文創園区。ここは日本統治時代に建てられた酒工場が前身で、今では工場としての機能はなくなり、古くて大きな建物を生かした文化イベントなどが盛んにおこなわれています。

 この日も、地元の芸術家たちによる作品展が開かれていました。土日にはフリマも開催されるので、街歩きの途中にぜひ立ち寄りたいです。

日本統治時代の工場跡が残る花蓮文創園区。広い敷地は市民の憩いの場に

【花蓮文化創意産業園区】

住所:花蓮市中華路144號

開館時間:10;00~18:00(月曜定休、屋外スペースは24時間入場可能)
https://hualien1913.nat.gov.tw/


4.花蓮に行ったらぜひ訪れてほしい一押しカフェ~實季・Seedson

 僕が花蓮で一番気に入っているカフェは、こちらの「實季」です。初めてここを訪れてから、コーヒーや食事、オーナーの人柄にひかれて、花蓮を訪れるたびに立ち寄っています。山小屋のような雰囲気の店内は、Wifiなし、コンセントなし、と今時のカフェとしては(台湾では)ありえない設備ですが、評判を聞きつけて、地元の人だけでなく、旅行客も訪れるようになりました。

静かでやさしい若きオーナーがドリンクやフードを一品一品丁寧に作る

 實季でお勧めなのは、何といっても写真のホットサンド。中の具材は何種類もあり、毎回違うホットサンドを楽しんでいます。ここのホットサンドは、味が抜群なだけでなくインスタ映えもばっちり。みんな、おいしいホットサンドを前にして、真剣に写真を撮っています。ドリンクもハイレベル。ほんのり甘くて優しい味わいのミルクティー、ハンドドリップコーヒーも本当においしくて、毎回どれを飲もうか悩んでしまいます。

 さらにうれしいのは、朝8時から営業していること。朝から営業しているカフェが少ない花蓮では、朝ごはんの時間に利用できるカフェは貴重な存在です。

何度食べても飽きない名物のホットサンド

【實季・Seedson】
住所:花蓮市忠孝街68號
営業時間:8:00~17:00(木曜定休→変更はFBにて告知)

https://www.instagram.com/seedson317/


5.鉄道好き集まれ!鉄道文化園区で花蓮の鉄道や歴史を学ぶ~762書庫

 花蓮には、当地の発展の礎となった鉄道に関するさまざまな資料を展示する鉄道文化園区があります。その中に、2階建てのこじんまりした建物があり、名前を「761書庫」と言います。ここには、文化園区にも所蔵されていない、貴重な鉄道資料が保管され、見学することができます。

 762書庫のオーナー黄さんは、歴史と鉄道が大好き。最近では、地域の文化活動を積極的に主催していて、花蓮の文化活動基地の一つに成長してきました。黄さんは気さくな人柄でお客さんを迎え入れ、興味を持った資料の説明を丁寧にしてくれます。

762書庫がある2階から園区を見下ろす

また、書庫ではコーヒーや紅茶を楽しむことができ、ベランダのテラス席に座ってゆっくりお茶を飲むと、旅の疲れも取れますよ。

テラス席でのんびりコーヒーをいただく

【762書庫】
住所:花蓮市中山路71號

営業時間:10:00~16:00(火曜水曜定休、金曜は~16:30、土日は~18:00)

 

6.もうひとつのおすすめカフェ~哈崙咖啡

 花蓮でも海沿いの地区にある東大門夜市。その近くにひっそりと建つ小さなカフェがあります。それが、「哈崙咖啡」です。

日本時代に建てられた民家を使った哈崙咖啡

 こちらは、食事の提供はなく、コーヒーとスイーツのみの提供になります。運が良ければ、花蓮の山・哈崙山の中で採れたコーヒー豆で淹れた・哈崙咖啡(お店の名前にもなっています)は、まるで花蓮の山奥にいるかのような程よい苦みとほんの少しの野性味を感じるレアなコーヒーなんです。年によって収穫量が安定しないので、このコーヒーに出会えるかどうかは運次第です。もちろん、それ以外のコーヒーもとてもおいしいですよ。

一杯一杯丁寧に淹れられたコーヒーは絶品。スイーツもおいしい

【哈崙咖啡】
住所:花蓮市北濱街23號
営業時間:おおむね午後のみ営業(基本的には月曜休み、ただし、小さな子供二人を育てているので、急なお休みもあり、事前にFBで確認する方がよい)


7.花蓮の日本食決定版~芝麻開門

 花蓮の名物料理はさくさんあり、巨大な夜市もあるのですが、ときどき無性に食べたくなるのが日本食。お刺身やハンバーグなど、日本の食堂の料理が花蓮でおいしく食べられる店が、こちらの芝麻開門(開けゴマ!の意味)です。

 日本人オーナーを中心にスタッフが作る料理は、どれも日本人になじみのあるものばかりで、しかも比較的リーズナブルに頂けるのがうれしいですね。地元でも人気のお店のようで、いつ訪れてもかなり混雑しています。

芝麻開門は、花蓮一の日本食のお店


 写真にはありませんが、水揚げがあった時は、名物の「鰹のたたき」が楽しめます。僕も食べたことがありますが、本当においしかったです。花蓮の市街地に立地しているので、一通り観光した後、気軽に夕食を食べにいらしてください。

【芝麻開門】
住所:花蓮市博愛街138號
営業時間:11:30~14:00、17:30~21:00(休みについてはFBで確認してください)

おお、馴染みのお店を再訪しただけで、一日が終わってしまいました。花蓮は、郊外の自然を巡るのも楽しいですが、実は市内の街歩きがなかなか楽しいんです。カフェや食堂で一休みしながら、気の向くまま街を歩いてみてはいかがでしょうか。もちろん、半日だけ新城に行くのもありですよ。

鹿港さんぽ最終回~日本時代の洋風豪邸、さらには素敵なレトロカフェを訪れたが・・・

こんにちは、のぶもんです。

間隔があいてなかなか完結しなかった鹿港レポートは、今回でゴールにたどり着きます。

(トップ写真は鹿港民俗文物館)

鹿港の町をもう少しぶらぶら歩きます。老街のあちこちにこんな古い建物が残っています。

中には入れる建物があったので、ちょっとだけのぞいてみました。奥は街再生事業グループの事務所になっているようですね。この建物も年季が入っていて趣があります。

中山路を超えて、さらに古い通りを歩きます。この辺りは日本の昭和の趣も少し感じます。


そして、鹿港で最も豪華な洋館にたどり着きます。

1.鹿港屈指の名家の旧宅が豪華な博物館に!


鹿港で最も豪華な建物といえば、「民俗文物館」を挙げる人も多いのではないでしょうか。1919年、当時、台湾五大財閥の一つに数えられた辜家のお屋敷として建てられました。

 

当時の主は、辜顕榮。清代末期から石炭販売などで財を成した顕榮は、日清戦争後の台北開城にかかわり、その後も日本の台湾統治に貢献したとして、最終的には貴族院議員に勅選されるほどでした。この建物も、日本の皇族や政府の役人も訪れていたといいます。

正面は洋風の作りですが、脇に回ると随所に中華風の趣を感じさせる箇所があります。

裏側の建物も渋い感じです。

残念ながら、館内は撮影禁止。辜家に関する宝物だけでなく、鹿港の(さらには台湾全土から集められた)歴史的遺物が集められており、それはそれは豪華なラインナップ。台湾史を勉強するときには、ここもぜひ訪れたいですね。

 

【施設情報】

「鹿港民俗文物館」

住所:彰化縣鹿港鎮館前街88號

開館時間:9:00~17:00(月曜定休)

 

民俗文物館のすぐ近くに、日本統治時代の建物をリノベしたおしゃれなカフェが「ありました」。

 

2.日本統治時代の建物を活用したカフェに行ったが・・・

 

中山路74巷に「凡咖啡」というレトロカフェがありました。こちらがその建物になります。

内部も本当におしゃれ。コーヒーもおいしくて、お客さんも多かったように記憶しています。

しかし、このカフェは2021年8月限りで閉店していました!人気カフェなのになぜ?と疑問に思いましたが、昨年5月からはコロナの猛威が台湾を襲い、2ヶ月間くらいは旅行どころではなくなってしまいました。

この時期に経営が立ち行かなくなり、お店を閉じたカフェも結構あるのですか、ここもその一つだったんですね。もちろん、家賃や賃貸契約その他の原因があった可能性もありますが、台湾でカフェを経営することの厳しさを改めて感じました。

 

3.最後の鹿港のローカルグルメを堪能

 

さて、日が暮れてきました。またまたお腹が空いてきたので、鹿港の名物・麵線糊を食べていきましょう。

 

こちらの「王罔麵線糊」では、麵線糊という珍しい料理が食べられます。これは、台湾でおなじみの麺線に豚肉を入れ、煮込んで作られた料理です。

実際に食べてみます。温かい味付き素麺の印象が強いかな。大腸麺線や蚵仔麺線よりもクセがなくて馴染みやすい味です。

【店舗情報】

「王罔麵線糊」

住所:彰化縣鹿港鎮民族路268號

営業時間:6:00~18:30(無休)

 

しかし、どれだけ麵線糊がおいしくても、それだけでは満腹にはなりません(笑)。そこで、もう一食ローカル食堂に行くことにしました。

 

こちらは、普通の食堂です。食べた料理も鹿港名物という訳ではありません。

こちらが、鹿港ローカル料理三点セット。排骨飯を頼んだのですが、これが予想以上のおいしさ。旅先の名物料理もできるだけ体験したいですが、その土地で評判の普通の食堂もまた楽しいですよね。もう、いくら胃袋があっても足りません。

こうして、丸一日の鹿港さんぽは終了となりました。この後は、彰化まで路線バスに乗り、その後、高速バスで台北に帰ったのですが、4連休最終日とあって高速道路が大渋滞!なんと、淡水行きの最終MRTに乗れませんでした。圓山からUberで淡水まで。600元しなかったので助かったのですが、それなら高鐵で帰ってきたほうが、かえって安上がりでした。。。そんな失敗を重ねつつも、旅に出る日はまたすぐに来ようとしているのでした(笑)。




 

鹿港さんぽpart3〜鹿港にも龍山寺がある⁈

こんにちは、のぶもんです。

 

鹿港さんぽが続きます。

 

台湾コーヒーとの予想外の出会いがあった後は、鹿港の老街に戻ります。

 

天后宮付近の賑わい。連休ともなると、まるで芋を洗うような人出です。

 

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まずは民生路に入ります。ここも大変な賑わい。「素珠芋丸」というお店には、大きな大同電鍋があり、中には豆干や米血などのローカルフードがたっぷり入っていました。これは、食欲がそそられますね。


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看板商品の芋丸もありますよ。どちらも1個でお腹が膨れそうです。


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【店舗情報】

「素珠芋丸」

住所:彰化縣鹿港鎮民生路68號

営業時間:8:30~18:00(土日は8:00~19:00)

 

民生路から埔頭街へと入ります。この通りは、老街観光の中心的存在。土日ともなると多くの店が並び、とても賑わいます。

 

こちらは、旧鹿港公会堂。日本統治時代に建てられた公会堂の建物が、今でも残されています。ここではよく美術作品展などが開かれるのですが、古い洋風建築の建物での美術展は、雰囲気によくマッチしてなかなか楽しいですね。

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公会堂の目の前には、小さな廟・南靖宮があります。こちらも歴史は古く、180年前くらいに建てられた建物を何度も修復を繰り返して守っているそうです。


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老街を南に進んでいくと、少しずつ道行く観光客が減っていきます。混雑しなくなったと思ったあたりで辿り着くのが、こちらのお寺になります。

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ここは、鹿港龍山寺。台湾には五大龍山寺と呼ばれる古刹があるのですが、鹿港にも龍山寺があります。台北・萬華の龍山寺のような混雑は見られませんが、渋い山門がわたしたちを迎えてくれます。


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鹿港龍山寺の魅力は、寺院内部の様々な装飾。まずは、戯台にやってきました。ここではかつて、演劇などが催されてきたそうです。この開放的な舞台で様々な演目を見るのは、さぞかし楽しかったでしょうね。

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意外と質素なプレートの先に見えるのは・・・

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これは、八卦藻井という天井の装飾です。ここまで精緻で美しい藻井は台湾でも数少ないとのこと。立体感のある美しさに引き込まれ、見上げた首が痛くなるまで見入っていました。

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ようやくお参りポイントまでやってきました。鹿港龍山寺の建物はどれも古い木造建築のように見えますが、実は、1999年に台湾中部を襲った大地震で、このお寺もかなりの被害を受けています。10年近くに及ぶ修復作業を経て、2008年に再び一般公開されるに至りました。いくら立派な木材を使っていても、長い歴史の中で地震の被害から逃れ続けるのは難しいですよね。修復に携わった皆さん、そして復興費用を寄付してくださった皆さんの熱意に頭が下がる思いです。

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本堂の裏側には、庭園もありました。たくさんの亀が優雅に泳いでいて、人々の目を和ませていました。

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【施設情報】

「鹿港龍山寺」

住所:彰化縣鹿港鎮龍山街100號

開館時間:7:00~20:00(無休)

お寺の参拝および見学もとても楽しかったのですが、路地裏に出てから、昔懐かしいお菓子屋さんに出会いました。売っているのは、麦芽餅。ソフトクラッカーに水あめなどをはさんだ素朴なおやつですが、なぜか若者たちにも大人気。鹿港しかも龍山寺の門前という空気が、昔のものを人々に求めさせるのかもしれませんね。



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こちらが麦芽餅。かなり甘いのですが、意外と癖になるおいしさでした。

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龍山寺から少しだけ北に戻ります。来た道から一本奥の道を歩くと、こんな古めかしいファサードの洋風建築が見えてきました。

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こちら、古本屋さんなんです。名前は「書集喜室」。台湾の独立系書店や個性派古書店の特集では必ず登場してくる名物書店です。

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鹿港の通り沿いの建物は、正面が狭く、奥に長い構造になっていることが多いです。こちらは、建物の裏側にある中庭のようなスペース。蚊が多いですが(笑)、ゆったりした気分になれそうな空間ですね。

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日本統治時代に建てられたこの建物。中庭には、なんと防空壕までありました。今では、その上にブランコが設置されているのがなんともシュールです。

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古井戸もありましたよ。今は使われていないのかな。

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こんな細い通路の壁面にびっしりと古本が並んでいます。もちろん、古本独特の臭いもしましたよ。

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2階ではドリンクもいただけます。この日はかなり暑かったので、アイスの台湾茶を頂きました。古い建物でこういうお茶をいただくと、心が自然と緩んでいきます。

 

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この眺めは壮観ですね。古書だけでなく新刊本も売っています。店頭に並んでいる本が面白そうなものばかり。個性派書店が選ぶ本って、本当にそそられるものばかりですね。


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ゆうべゲストハウスに同宿して、一緒にバーへ飲みに行った台湾人のジャック君。ここでばったり再会しました。(まあ、大体みんな同じように街の中を歩いているので、どこかで出くわしてもおかしくはないです)

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【店舗情報】

「書集喜室」

住所:彰化縣鹿港鎮杉行街20號

営業時間:11:00~17:30(月火定休)

 

午後3時くらいでしょうか。少し日が傾き始めました。ここから、さらに非常に豪華な私設博物館や素敵なレトロカフェへと進んでいきます。

(続く)

鹿港さんぽpart2〜どこまでも続く古い街並みを朝から散歩する

こんにちは、のぶもんです。

 

鹿港で一泊した翌朝。早速、街歩きに出かけました。ゲストハウスが老街の中心部にあるので、宿を出たらいきなり老街さんぽの様相です。

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まずは朝の腹ごしらえから。一般的に老街は観光客相手のお店が多く、早餐店が少ないです。あれこれ探して見つけたお店が、こちらの「旯旮楍卅」という早餐店。名前も変わっていますが、鹿港では数少ない現代風の朝ご飯を提供しています。
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注文したのは、この三明治とコーヒー。台湾の街角でよく見かけるサンドイッチは、もっとシンプルなものが多いのですが、この店のはかなり大きいですね。そして、おいしい。観光客にも知られているようで、朝からひっきりなしにお客さんが入ってきます。
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「旯旮楍卅」
住所:彰化縣鹿港鎮中山路133號
営業時間:6:00~12:00(火曜定休)

 

さあ、腹ごしらえを終えたら、老街の散歩へ行きましょう。

老街に残された古い建物は、何棟かが再利用されています。ここも、この日は開いていませんでしたが、地元の歴史や文化に関する活動を展開している場所だそうです。
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台湾各地に良い感じの老街がたくさんありますが、鹿港の魅力は、このようなる古い路地がどこまでもどこまでも続くところ。この点については、他の老街の追随を許さないと思います。
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こんな渋い建物が至る所にあります。一つ一つ除いていると、全然先に進みません(笑)。
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鹿港老街の特徴は、道が基本的に直線ではないこと。日本統治時代はどの町でも都市計画が施され、きれいに区画された街路が作られることが多いのですが、清代の路地はこなふうに曲がりくねっていることが多く、さんぽ好きにはたまらない雰囲気になっています。住民の皆さんには少々不便かもしれませんが。。。
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ここは、鹿港の第一市場。千五台湾の少し古い建物ですが、1階に入居しているワールドジムが異彩を放ちます。レトロな建物の中でトレーニングをするのはどんな気分でしょうね。
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このときは清明節の4連休だったのですが、朝九時を過ぎると旧市街はバイクだらけになります。観光客が本格的に動き出す前に、鹿港の人々の動きが活発になります。この風景だけを見ると、ベトナムのホーチミンあたりを思い起こさせますね。
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街歩きに戻りましょう。すぐに見えてきたのが「鶴棲別墅」。ここは、清代末期に日本留学の末に鹿港の富豪となった王煌の屋敷だった建物です。王煌は、金融で財を成した人物で、この建物も福建と西洋の建築様式が混ざり合っているといいます。
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館内は、工芸品の展覧スペースとなっており、建物の紹介だけでなく、さまざまな作品の展示も見られます。
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こんな古井戸も残っています。
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鹿港は清代に最も栄えましたが、日本統治時代に鉄道が敷かれたとき、鹿港は鉄道ルートから外れます。そのためか、それ以降は台湾の繁栄から取り残された感じが強く、そのことがかえって台湾でも少なくなった清代の歴史建築がたくさん残る要因ともなったのでしょう。歴史散策を楽しみたい人にとっては、とても大きなプレゼントになりますね。

「鹿港鶴棲別墅(工藝展覧館)」

住所:彰化縣鹿港鎮後車巷8號

開館時間:9:00~17:00(月曜火曜定休)

 

更に歩いていくと、このような古い建物に着きます。こちらも、歴史建築として公開されていますが、郊行博物館という鹿港の歴史建築群の一つになります。
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内部は清代末期さながら。これは日本建築ともかなり異なる雰囲気を持っていますね。
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かつて鹿港から運び出された主力商品のラインナップ。そう、鹿港はかつて中国大陸との商取引を行う重要な港だったんです。
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ここにいると、21世紀にいることを忘れそうです。
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興奮が冷めやらぬまま、いったん目抜き通りの中山路に出ます。そこで見つけたのが「阿里山咖啡」の文字!えっ?鹿港に台湾コーヒーが?
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このお店、現地に行けば看板もあり、ここで阿里山コーヒーが飲めることは何となく分かるのですが、google mapにも載っておらず、少し探しづらいですね。目印は、隣の「不可思議體驗館」にするとよいでしょう。
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ここで飲める阿里山コーヒーはたったの100元。一般的には200元~250元はするので、かなりお得な体験だったと思います。台湾一気軽な台湾コーヒーの店を後にして、散歩はさらに続きます。

「大阿里山地區特殊處理咖啡生豆」
住所:彰化縣鹿港鎮中山路416號1樓
営業時間:10:00~18:00(月曜定休)

そして、鹿港さんぽはまだまだ続きます。

鹿港さんぽpart1〜清代から繁栄した古都の魅力を満喫する・前夜編

こんにちは、のぶもんです。

 

昨年4月の清明節の連休には鹿港を訪れていました。鹿港と言えば昔から「一府(台南安平)二鹿(鹿港)三艋舺(台北萬華)」と呼ばれたほど栄えた歴史を持つ古都です。

 

日帰りで訪れることが多いこの街に、今回は泊まりがけで行ってみました。まずは初日夜の様子からお届けします。

 

高鐡台中駅からバスで約1時間。すっかり暗くなってから、鹿港の街に到着しました。

 

鹿港はめぼしい宿泊施設が非常に少なく、泊まりで行こうという人が非常に少ないです。その中でも、少しずつゲストハウスなどが増えて、鹿港の泊まり旅の環境は徐々に改善されつつあります。今回僕が泊まったのは、鹿港老街のど真ん中にあるゲストハウス「小艾人文工坊背包客棧」です。築数十年の古い建物を改造してゲストハウスとして活用しています。

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建物の中に入ると、こんな感じのロビーがあります。古めかしい感じはしますが、何だかワクワクしてくる雰囲気です。
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早速、街へ繰り出しましょう。といっても、夜は観光客が激減するので、決して多いとは言えない宿泊客や里帰り客が家族連れでのんびり歩くのを見かけるだけです。
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食堂が開いているか不安だったのですが、ポツポツ開いている店もありました。こちらは「店小二」という肉包店です。かろうじて、肉包をゲット。
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鹿港を代表する廟・鹿港天后宮。昼間はいつも人が絶えない廟ですが、さすがに夜になると静かで落ち着いていますね。
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鹿港観光のメインストリート。こちらも、夜になるとのんびりムード。派手な感じがなくて、そぞろ歩きが楽しいです。
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先程の肉包を食べます。おお、なかなか行けますよ。
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こんな店もありました。「小松」という丼ものの食堂です。おいしそうなので入りたかったのですが、たびさきではどうしてもローカルフードが優先になり、タイミングが合わないと日式料理には手が出ません。とりあえず、チェックだけ入れておいて、再訪の機会を待ちます。
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そう、この後に豆花も控えていたので、丼料理を諦めていたのでした。。。ということで、「冷凍豆花大王」に入ります。(ここの店名もかなりストレートな感じですね)
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かき氷乗せ豆花を頂きました。素朴な味わいでホッと一息つきます。
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さて、ゲストハウスに戻ったら、オーナーさんが「時間があって、興味のある人は、自分が関わっているバーに一緒に行きませんか?」と話を持ちかけて来ました。面白そう!こんな誘いに乗らない手はありません。

 

他2人の台湾人も交えて、総勢4人でバーへと向かいます。
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やって来たのは、「北頭娯椿共同實驗空間」というちょっと硬い感じの名前を持つスポットです。中に入るとかなり広い空間で、特定の時代を超えた古さが心地よく感じられます。
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こちらは、僕が訪れた時まだオープンしたばかりだったのですが、何種類かのカクテルがメニューにあり、他の台湾人たちとそれぞれ気になるカクテルを頼みました。
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という訳でメニュー。ネーミングにもこだわりがあって面白かったですね。
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という訳で、みんなでかんぱーい!鹿港では、若者たちが街を活性化させる活動をさまざまに展開しているようです。ここのようなバーも何軒かあるようで、宿さえ確保すれば、ぜひ鹿港で一夜を過ごしてみてほしいです。
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いきなりの展開にワクワクしたもう僕。翌日は朝からできる限りこの街を見て回ろうと思います。

「北頭娯椿共同實驗空間」
住所:彰化縣鹿港鎮郭厝巷32-1號
営業時間:19:00~24:00(詳細はFBにて確認のこと)

台湾さんぽ75〜彰化の街で日本の面影を追い求める

こんにちは、のぶもんです。

 

彰化の市内さんぽ。ここまでも、隠れた見どころがたくさん登場しましたが、後半はどのようなスポットが出てくるでしょうか?

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丘の上にある茶藝館から細い階段を降りていきます。坂道や階段の途中にも古い民家がたくさん残っており、散歩が楽しいエリアです。この写真だけ見たら、日本の昔の風景と間違えそうです。
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階段や坂が終わってたどり着いたのが「南郭郡守官舎群」。このあたりは、日本統治時代に台中州彰化郡の郡守(現在の市長に当たる)や役所関係者の宿舎が16棟も建てられたのだそうです。

 

今でも、かなりの建物が現存しており、歴史建築として保存・活用活動が盛んになっています。

 

下の写真は、家屋群の中でいち早く中が公開された「3號実験本屋」です。僕が訪れたときは閉まっていましたが、普段は短時間ながら開放され、中が見られるようです。
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こちらは、7號官舎。戦後も公務員宿舎として使われていたので、保存状態はどこも悪くなさそうです。
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すぐ横には詳しい説明書きがあります。中には縣定古蹟になっている建物もあるようです。f:id:funstudy-taiwan:20211229124444j:image
分かりやすく地図も掲示されていました。これほどの規模の住宅街を保存するには、市役所はじめ地元のみなさんの努力が欠かせなかったと思います。実は、前回登場した「1/2 room」 の女性経営者の旦那さんが、地元の大学で教鞭をとっており、この地区の保存活動に力を注いでいるとのこと。ご夫婦で彰化の文化の発展に貢献されているんですね。
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【施設情報】

「南郭郡守官舎群」

住所:彰化市公園路一段174號

開館時間:外観の見学は自由(地区内にある建物の開放日・時間等は現地で問い合わせ)

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南郭の日式住宅群からすぐのところに、これまた日本統治時代に建てられた武徳殿が残されています。今は剣道の練習以外で中に入るのは難しそうですが、立派な外観を見るだけでも訪れる価値があります。

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武徳殿の敷地内には、別の日本家屋が残っており、最近まで飲食店として営業していたのですが、どうやらコロナの影響等により営業中止になってしまったようです。状況が落ち着いたら、また新しいテナントに入ってもらいたいですね。

【施設情報】

「彰化武徳殿」

住所:彰化市公園路一段45號

開館時間:現在閉館中(2枚目の日本家屋に入居していた食堂も撤退してしまいました)


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武徳殿から徒歩数分。こちらの洋館は、日本統治時代に公会堂として使われていた建物です。今では、市の芸術館として活用され、ランタンイベントの際にはたくさんの個性あふれるランタンを眺めることができます。
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正面からの眺めも壮観ですね。この時はすでに閉館時間になってしまったのですが、次回は館内も見学したいです。

【施設情報】

「彰化藝術館(旧彰化市公會堂)」

住所:彰化市中山路二段542號

開館時間:9:00~17:00(月曜定休)


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こちらは、台湾の主な町には必ずある衣料品店「NET」です。しかし、よく見て下さい。建物が妙にレトロです。実はここ、日本統治時代に建てられた劇場「銀宮戯院」の建物をリノベしたものなのです。このエリアには、古い建物をうまくリノベした商店が多く、街をぶらぶら歩くだけでも楽しくなります。

【店舗情報】

「NET彰化一店(旧銀宮戯院)」

住所:彰化市中華路43號

営業時間:11:00~22:00(無休)


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その向かい側には、これまた古い校舎のような建物。ここは、日本統治時代に幼稚園だった建物で、つい最近まで韓国料理店が入っていました。残念なことに、今ではお店が撤退してしまったようで、次の引き受け手が決まるまでは内部に入れなさそうです。

【店舗情報】

「旧彰化第二幼稚園」

住所:彰化市孔門路30號

開館時間:外観のみ24時間
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彰化の町は、役所も古い建物を使っています。こちらは、警察署。四つ角に建つ正面部分は日本統治時代のもののようです。

【施設情報】

「彰化縣警察局彰化分局」

住所:彰化市民生路234號

開館時間:24時間


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こちらは、彰化市公所(市役所)。戦後すぐに建てられた建物で、微妙に日本建築の雰囲気と異なりますが、レトロ感は満載。とても令和の時代のお役所には見えませんね。

【施設情報】

「彰化市公所」

住所:彰化市光復路74號

開館時間:8:00〜12:00 13:00〜17:00(土日閉館)


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古い建物を見ようと歩き続けて、少し疲れてきました。彰化の名物の一つが「肉圓(バーワン)」。街の中には、たくさんの有名店がありますが、今回は市役所からも近いこの店に来ました。人気店だけあってお客さんが多いですね。
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こちらが看板商品の肉圓。もちもちとした食感の皮にたっぷりの肉餡。肉圓は上にかかるソースにより味わいがかなり異なるのですが、この店のソースは少しやさしめの味わいで、個人的に気に入りました。

【店舗情報】

「北門口肉圓」

住所:彰化市中正路一段494號

営業時間:11:00〜19:00(無休)


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北門口肉圓のすぐ近くにある、こちらのレトロな建物。これは「王長發商號」といい、このバロック様式の正面は日本統治時代に建てられたものです。実は奥には清朝時代に建てられた部分があるそうなのですが、今はカフェや飲食としては営業していないため、内部に入るのは難しくなっています。

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王長發商號から彰化駅を通って、少しずつ南下します。駅からほど近いエリアでも、路地裏を歩くととても風情がありますね。
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こちらは、彰化鐵路醫院。日本統治時代には、高賓閣という高級レストランだったそうです。最近になってリノベを終え、一時期は一般に公開されたこともあるのですが、今はまた閉鎖。外観のみ見学可能となっています。彰化には、簡単に見学できない優れた日本時代の建物が何軒もあるので、将来的にはこれらも公開されて、さらに街歩きが楽しくなるといいですね。
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さきほどの肉圓1つでは足りなかった僕。さらに南に少し歩いたところに、小さな食堂があります。こちらは「萬芳蛤仔麺」といい、彰化でよく食べられる控(正確には火へん)肉飯に、ちょっとレアなハマグリ麺をいただきました。
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これがまた、素朴な味わいでなかなか良いんです。値段もリーズナブルなので、街歩きに疲れたら、このようなローカル食堂で軽くお腹を満たすのも良いですよ。

【店舗情報】

「萬芳蛤仔麵」

住所:彰化市永興街13號

営業時間:8:00〜21:30(無休)


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実に長い一日でした。この日の最後を飾るのは、夜遅くまで営業しているカフェ「咖啡烟」です。地元では数少ない、深夜営業のカフェだからか、夜になってもお店は大盛況。
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実はこのお店も、日本統治時代の建物を使っているそうで、お店の方にいろいろお話を聞きたかったのですが、もしかしたら日中のほうが空いていて話しやすいかもしれませんね。いずれにしても、再訪したいお店の一つであります。

【店舗情報】

「咖啡烟」

住所:彰化市永樂街199號

営業時間:13:30〜23:00(木曜定休)


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いやあ、この日は充実感と疲労感がかなりのレベルに達し、本当に収穫の多い街歩きができました。彰化の中心部は、徒歩やバスでかなりカバーできるので、ぜひ一度、彰化さんぽにも挑戦してみてください。