こんにちは、のぶもんです。
台湾におけるコロナ問題の状況は少しずつ好転しており、僕が住む新北市でも、公共観光施設が再び入れるようになりました。市民生活も、少しずつ希望が見えてきた感じがします。
ところがそんな中、苦戦を強いられている観光スポットがあります。それが台北一有名な夜市「士林夜市」です。
【1】士林夜市を実際に歩いてみた
まずは定番のアングルからの写真を見てください。人がほとんどいません。
有名店が建ち並ぶ通りもご覧の通り。台湾人をちらほら見かけるだけで、寂しさを感じます。
日本人にも大人気の夜市フードコート「地下美食區」。こちらも人影はまばら。半分以上の店が休んでいます。
試しに、開いている屋台で「蚵仔煎」と「花枝羹(イカとろみスープ)」を食べました。
「阿婆之家」と言えば、士林夜市でも特に有名な店なのですが、お客は僕一人だけ。途中から、店の知り合いっぽい人が食べに来ましたが、待たされることも、せわしない雰囲気に急き立てられる心配もありません。
こちらが蚵仔煎(60元)。ネットでは賛否両論あるようですが、まずまずのお味。
「花枝羹」は、イカがたっぷり入っていて、お腹いっぱいになれます。こちらも、味は悪くないですよ。
再び地上に上がり、路地を歩いてみます。
やはり、人は少ないです。
胡椒餅の有名店も手持ち無沙汰な感じ。なんと、待たずに胡椒餅を買えました。
【2】士林夜市がガラガラの理由は?
では、これは台湾の観光地すべてがこんな状況なのでしょうか?
いえ、ほとんどの観光地は、かなりお客が戻ってきており、夜市もローカルなところは普段と変わらない賑わいを見せています。
他にお客さんが激減してしまった観光地と言えば「九份」が挙げられます。
こちらも、いつもの身動きが取れないほどの混雑とは異なり、お客さんがまばらです。
この2つの観光地に共通する特徴は、「外国人観光客」の比率が高いことです。
現在台湾政府は、原則として外国人の入国を認めていませんので(例外を除く)、外国人の訪問に依存していた観光地ほど、来客数は減少しやすくなります。
それでも、台湾人が好んで訪れるスポットならこれほど客足が遠のくことありません。台湾国内の観光については、一部の規制を除けば平常通りにできます。
だから、淡水や陽明山、三峽のような台湾人好みの観光地はどこも大盛況なんです。
つまり、士林夜市がガラ空きなのは、「外国人の訪問が途絶え、台湾人もあまり来ない」からなんです。
【3】これからの士林夜市
海外からの渡航が解禁されたら、士林夜市はおそらくもとの活気を取り戻すでしょう。
ただ、それがいつになるかは分かりません。いわゆる鎖国が長引けば長引くほど、店を閉じるところが増える可能性は高くなります。
特に、外国人受けを狙う一方で、際立った特徴・魅力がない店舗からなくなっていくのではないでしょうか。
逆に、台湾人からも支持されるお店は、生き延びる可能性が高いと思います。
近年の士林夜市は、あまりにも多くの外国人が訪れ、地元民やリピーターにとっての魅力が薄れてきたように思います。
僕自身も、強い希望がなければ士林夜市を案内することはありませんし、むしろ、ローカルの小さな夜市を紹介してしまいます。
確かにインバウンド率を高めるのも、観光地の一つのあり方ではあります。ですが、地元の台湾人からもっと支持される方策も並行して取っていかないと、土地との結びつきが薄い、空中浮遊した外向け観光地になりかねません。
「外国人観光客が気楽な訪れられる」という大きなメリットを損なわず、台湾人にももっと来てもらえる夜市づくり。士林夜市の今後の動向に注目していきたいと思います。