こんにちは、のぶもんです。
前回は、久しぶりにANAに乗って映画を観た話をしましたが、今回は、日本で映画を観た話をしたいと思います。
僕は、台湾旅行に来る前から、たくさんの台湾映画を観ていました。それらの映画を観て、すぐに台湾に行きたくなった訳ではないのですが、心に少しずつ台湾養分が蓄えられていった、とでも言いましょうか。
そんな愛すべき映画の第1作目が、今から22年前(1997)に日本公開された「熱帯魚」です。
ストーリーはかなりハチャメチャ。大事な高校受験を間近に控えた男子中学生・ツーチャン。彼が、ひょんなことから誘拐事件に巻き込まれ、驚きの体験をする・・・というのが基本プロットです。
誘拐犯がちょっと間抜けで、リーダーはあっけなく交通事故で死亡!弟分が、ツーチャンと誘拐の主たる対象・シャオワンを連れて、実家のある台湾南部の田舎に行くことになるのですが、話はどこかズッコケの連続。吉本もビックリの面白い場面がたくさんあります。
とまあ、22年前のまだ若きのぶもんも、この映画を堪能していた訳ですが、改めて見返してみると、台湾の90年代別を学ぶのに非常に優れた教材でもあることが分かりました。
学校で当たり前のように繰り返される体罰。これは、台湾青春映画の傑作「あの頃、君を追いかけた」でも登場する場面です。今でこそ、体罰もご法度になりましたが、ちょっと前までは、悪い子・出来ない子に対する体罰は当然視されていました。
受験戦争の描き方も面白いですね。当時は、高校受験での成否が人生を決める、とまで言われていたようです。
入試日が近づいてくると、誘拐されて試験を受けられないかもしれないツーチャン少年に対する同情が国じゅうに広まり、メディアを挙げての大騒ぎに。
今の我々こそ、「そこまで命がけにならなくてもいいのに(笑)」と言えますが、当時は、誘拐犯の家族ですら、ツーチャンの受験勉強のサポートを熱心におこない、入試日までに台北に返そうと、あれこれ画策するのです!
また、当時は分かっていなかったのですが、ツーチャンやシャオワンは中国語を話しますが、犯人家族は皆、台湾語を話しています。だから、僕は未だに、字幕がないとこの映画のセリフの70%くらいは分からないんです!
都市と田舎の様々な対比も、当時すでに問題になっていた中央と地方の格差を示唆していて、考えさせられました。
タイトルの熱帯魚にも、様々な意味が込められています。詳しくは映画を観て探索していただきたいのですが、監督がこの映画に込めたメッセージを紐解けば紐解くほど、切ない気持ちになることうけあいです。
それにしても、台湾映画に出てくる男子(大人の男ではない)は、どいつもこいつもちょっと抜けていて、頼りない(笑)。それに引き換え、女子はどこか現実的で、少し大人びている。このヘタレ男子と、現実シッカリ女子のコンビネーションは、熱帯魚においても十分楽しめます。
東京では、新宿のケーズシネマで20日まで上映しています。皆さんもぜひ、ほんの少し昔の(ただし、根っこは今とほぼ変わらない)台湾をご自身の目で見てくださいね。
http://www.ks-cinema.com/movie/tropicalfish/
【台湾で中国語を学んでみませんか?】
台北の中国語教室「フレンドシップ・ランゲージ」ては、新規受講生を募集しています。
お問い合わせは
Mail:shimizu701019@gmail.com
LINE:taipei591019
ホームページは