のぶもん台湾さんぽ

台湾のあちこちに出かけたときの旅日記をつらつらと書いています。マイナーな街の紹介が結構多いです。

台湾で台湾映画を見る:消失的情人節~消えたバレンタイン(仮題?)

こんにちは、のぶもんです。

 

先日、久しぶりに映画を見に行きました。台湾の秋は、質の高い映画が次々に公開される時期です。

 

台湾映画のアカデミー賞とも呼ばれる「金馬奨」にノミネートされた実力派の映画が次々と封切りになるんです。 

 

そんな中、多くの賞にノミネートされた作品が「消失的情人節」です。


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郵便局に勤める楊曉淇(ヤン・コウチーかな)は、仕事も恋もぱっとしないアラサー女子。彼女を密かに想うバスの運転手・阿泰は毎日のように郵便局を訪れ、わざわざ手紙を出しすのだが、楊曉淇からはちょっとヘンなあんちゃんぐらいにしか思われていない。

 

郵便局を訪れたイケメンダンサー・劉文森(たぶんヴィンセント)と親しくなった楊曉淇。彼にダンス大会に誘われた楊曉淇は、文森の話に乗せられ、彼にお金を騙し取られそうになる。

 

翌日、会場への路線バスに乗った楊曉淇。運転手は偶然にも阿泰!阿泰は、ふとしたきっかけで文森の悪巧みを知り、何とか楊曉淇を守りたいと思ったが、その時、阿泰以外時が止まってしまい、阿泰はあることを決意する・・・。

 

 

実は僕、この映画の出だしは結構退屈しました。アラサーダメ女子の冴えない日記、みたいな話が続き、「この映画、そんなに面白いかなあ?」とモヤモヤしていたんです。

 

もう一人の主役の阿泰は、郵便局に来ては少しキモい😅微笑みを残して帰るだけだし。。。

 

ところが、世界の時が止まってからの展開が、めくるめくジェットコースターのよう!中途半端に残されていた(ように見える)伏線も次々と回収され、しまいには涙が止まらなくなっちゃいました。

 

どんなふうなストーリーになるかは、いつか日本で公開されるときに映画館で見ていただきたいのですが、「自分なんて大した人生を送ってないなあ」とか「自分の価値なんてあまり感じられない」などと感じている人には、ぜひ見ていただきたいです。(自分も当てはまりました😅)

 

そして、もう一つの注目点は、嘉義縣東石という台湾の田舎が登場するところです。この場所が、様々な形でストーリーに絡んでくるので、こちらも注目してもらいたいですね。

 

この映画のすごいところは、郵便局とか路線バスといった、地味な仕事の代表例に挙げられがちな仕事が(途中から)、魂を吹き込まれたかのように、生き生きしたものに感じられる点です。

 

監督の陳玉勲は、僕が愛してやまない「熱帯魚」という映画でデビューした実力派。この「熱帯魚」でも、重要な役どころ(?)として東石の街が登場します。

 

この映画を見ると、きっと東石に行ってみたくなるでしょう。なので、東石の郵便局の地図を貼っておきますね。(東石の郵便局も映画に登場します)

 

金馬奨の有力候補なので、日本でも少なくとも来年の映画祭では上映されると思います。台湾に詳しい方には、クスッと笑える場面も続出ですよ。

 

ちなみに、台湾でバレンタインといえば、どちらかというと七夕の情人節のほうがメジャーだそうです。

 

 

【東石へのアクセス】

台鉄嘉義駅または高鉄嘉義駅から7211バスで朴子轉運站乗換、7233バスで東石バス停下車(かなり遠いので、時間に余裕を持ってお出かけくださいね)