のぶもん台湾さんぽ

台湾のあちこちに出かけたときの旅日記をつらつらと書いています。マイナーな街の紹介が結構多いです。

マレーシアの旅~映画のロケ地にもなった「ブルー・マンション」

こんにちは、のぶもんです。

マレーシア・ペナン島のジョージタウンさんぽはまだまだ続きます。前回はコンシー(公司)という華人一族が集う豪華な施設を紹介しましたが、今回は、別の華人の富豪が建てた豪邸を紹介します。それが「Cheong Fatt Tze」です。カタカナ表記が人によってまちまちなので、アルファベットのまま話を進めますね。

”Cheong Fatt Tze”とは、この屋敷の主だった人物で、漢字表記だと「張弼士」と書くのだそう。この人物は、中国広東省生まれの客家人で、1886年にペナンをビジネスの拠点にしたのだそうです。さまざまなビジネスに手を広げ、当代きっての大富豪となりました。なんと、孫文との交流もあったそうですよ。

Cheong Fatt Tze は、ブルーマンションをビジネスの拠点かつ自宅、さらには定番の「祖廟」としても活用したそうです。敷地が広く、屋敷にはたくさんの部屋があったので、いろいろな用途に使うことができたのでしょう。この辺りは、他の名家のコンシー(公司)にかなり似ていますね。

青空に負けない鮮やかな青色

このブルーマンション、実は、取り壊しの危機に瀕したこともあるんです。1916年にCheong Fatt Tze が亡くなった後、屋敷は次第に荒れ果てていきました。そして、彼の最後の息子が亡くなってすぐに、この屋敷は売りに出されることになりました。このことを知り、ブルーマンションを自ら購入して保存に乗り出したのが建築家・ローレンス=ローです。彼の指揮のもと、かなり荒れ果てていたブルーマンションは当時の姿を取り戻すことに成功したんです。

もしローレンスが思い切った行動に出なかったら、この美しい世界遺産を多くの人が見ることができなかったのですね。

中華風の様式と鮮やかな青色がよくマッチする

それでは、内部に入ってみましょう。ちなみに、ブルーマンションの入館料は25リンギット、約750円です。

 

エントランスに入ると、いきなり高い天井と豪華な作りに驚かされます。

エントランスの部屋。風格を感じる

1階の中央には中庭があるのですが、こちらも広々していてゴージャスです。そして、古い階段好きとしては、このようなレトロな階段がたくさんあるので大興奮!

昔の邸宅は階段のフォルムが美しい

この美しい邸宅は、修学旅行生の見学先にもなっています。この日も、中国から学生の団体が訪れて、説明に耳を傾けていました。マレーシアの歴史スポットでは中華系の人々を多く見かけます。マレー系はちょっと少な目かな。中国語を話す人たちにとって、中華系のお屋敷の見学はハードルが低いようですね。

中国の学生たちが見学に来ていた

こちらの部屋は何だと思いますか?実は、バーなんです。ホテル宿泊者専用のバーが備え付けられており、一般の観光客が帰った後のお屋敷で、ゆっくりお酒を楽しめるというわけ。宿泊する機会があったら、ぜひバーにも顔を出してみたいですね。

なんと、館内にホテル宿泊客用のバーがある!

さて、ブルー・マンションは、大富豪の邸宅だけあって、部屋数がとても多いです。これらの部屋を活用して、さまざまな品物を展示しています。たとえば、こちらの部屋は、当時の女性が着用していた洋服を数多く展示。ちょっとゴージャスな装いの洋服が多くて、見ごたえがあります。

優雅で気品のある洋服が多数展示されている

ブルー・マンションは、大きな邸宅の一部を開放して博物館としていますが、残りのエリアはホテルになっており、宿泊者でないと内部には入れません。こちらの中庭も、宿泊客限定。中庭のインディゴブルーまだ見えますが、その奥も見てみたいですね。

パティオの向こう側はホテル宿泊客専用エリア

ブルー・マンションのような邸宅は、映画やドラマのロケ地としても活躍します。ブルー・マンションで言えば、最近アカデミー賞ノミネート作品となった「クレイジー・リッチ!」のロケ地にもなっていました!古くは「インドシナ」でも使用されており、この素晴らしい邸宅は、数多くの映画人をひきつけてやまないのでしょう。

映画「クレイジー・リッチ!」のロケ地にもなった

いやあ、ジョージタウンには、予想を超える素晴らしい邸宅が何軒もあるんですね!ホテルの評判も多いようで、もう少しお金持ちになったら、ブルー・マンションで優雅な一夜を過ごしてみたいものです。