のぶもん台湾さんぽ

台湾のあちこちに出かけたときの旅日記をつらつらと書いています。マイナーな街の紹介が結構多いです。

国境の南・恆春の町を歩く~建物編

こんにちは!のぶもんです。

 

年明けに訪れた屏東縣恆春。映画「海角七号」の舞台として脚光を浴びた街です。高雄から特急バスで2時間以上かかる台湾島のさいはての町ということもあり、なかなか行く機会がなかったのですが、年明けすぐの台湾一周旅行で台東から屏東の竹田に抜ける行程を組んだので、そこから枋寮へ南下して、バスに乗り換えて恆春へ向かうことにしました。

久しぶりの恆春、どんな感じになっているかな?

映画「海角七号」の主人公・阿嘉の家

まずは、枋寮駅の風景です。墾丁や恆春へ向かう乗り継ぎポイントですが、街自体は小さくて、のんびりムード。

恆春への玄関口・枋寮駅

さあ、バスで恆春に向かいましょう。高雄からの特急バスも枋寮に停車するので、結構便利ですよ。

というわけで、恆春のバスターミナルに到着しました。ここは日本統治時代に建てられた建物を再活用再活用したいるんです。レトロな感じがいいですね。

恆春のバスターミナル

街歩きの開始です。恆春にも老街があり、観光シーズンになると観光客でにぎわうようですが、台湾の年明けは特に何もないので、老街は、特に朝の時間帯は静かでした。これはこれで良い感じですよ。

午前中は静かな恆春の老街

市街地の観光名所といえば、一番有名なのが映画「海角七号」の主人公・阿嘉の住まいとして使われた「阿嘉の家」でしょう。とても小さな家ですが、数年前初めて訪れたときは、2階の阿嘉の部屋も見学することができましたが、コロナ期間中は公開中止。その後は、中に入れなくなり、軒先でお土産品を買うだけの場所になってしまいました。それでも、台湾人にとって「海角七号」は人気の映画だったようで、いまだにここで記念写真を撮り、お土産を買う人が絶えることがありません。

1時間遅れで開いた「阿嘉の家」

「阿嘉の家」も良いですが、では何といっても現存する4つの城門が外せません!台湾は清朝時代に城壁に囲まれた都市がいくつもできましたが、ここ は城壁の内部に入るための4つの城門すべてが今でも残り、城門の上に登ったり、城壁を渡り歩いたりできるんです。

【南門】
ここは大通りがぶつかる場所に位置するのですが、道路は南門を避け、ロータリー上になっています。現代の車社会でも、しっかりと存在感を示している感じで、カッコいいですね。

立派な南門

夜になると、ライトアップもきれい。昼の荘厳な雰囲気と違って、かなり幻想的な趣。もしかしたら他の城門もライトアップされているかも知れません。

南門の夜景

【西門】

次は、西門を見てみましょう。こちらは、昔ながらの古い通りが城門を貫いています。時折、自動車やバイクが通り抜けていきますが、南門とは違ってのんびりムード。付近の街並みも古い感じで、街の中でも特にレトロな雰囲気を楽しめるエリアになっています。

西門の風景

【北門】

次は、北門です。こちらの城門も大型車は通行できず、小さな車やバイク、人が通るだけ。よく見ると、城門のデザインや形は少しずつ違っていますね。これらを比較してみるのも面白いかもしれません。

北門付近は、途中まで城壁が残されていて、しばらく城壁散歩を楽しむこともできます。

長く続く城壁

この城壁、突如途中で終わっているところがあり、次の城門へは行けず、もとの城門まで戻らなければならないことも。観光客への案内はところどころ分かりにくくなっていますが、それもまた冒険ですね(笑)。

北門も立派だ

城門巡りをしていると、こんなたくさんの棒でできた舞台のようなものが見えてきました。これは「搶孤」といい、毎年旧暦7月15日に行われるイベントです。死者の供養のためのお供え物を奪い合う民衆の争いを治めるため、孤棚と呼ばれる棒を早く登りきった人にお供え物を与えるというお祭りを始めたのがきっかけだそうです。

 

現在では、観光客や外国人でも参加できる大型スポーツイベントへと発展しており、会場は熱狂に包まれるといいます。いつか搶孤も見学してみたいですね。

台湾でも数少ない搶孤

【東門】

最後は東門。これで4つの城門を制覇したことになりますね!こちらも市街地のはずれに位置して、城門の上に上がって周囲の街並みを見渡すことができます。

ゆっくり歩いても3時間程度で一通り回れますが、途中いろいろ寄り道すると半日かかるかもしれません。せっかく台北から遠く離れた最南端の町に来たのですから、ゆっくりと街の魅力を堪能しましょう。

東門。台湾で唯一4つの城門がある

こちらは、西門のすぐ近くにある猴洞山です。この「山」は、さんごの石でできた小高い丘で、かつてこの辺りに野生の猿が生息していたことからこの名前がついたそうです。ここからも、周囲の街並みを見下ろすことができますよ。

かわいらしい猴洞山

さて、恆春にも日本統治時代に建てられた木造家屋が残されています。こちらは、日本統治時代に建てられた恆春郡役所官舎だった建物です。この建物が修復されて、現代にその姿を残しています。

日本時代の木造家屋を発見!

そこはレトロな雰囲気のカフェ「蒔嶼 まきしま」になっていました。なんと畳の部屋もあり、和室でゆったりとコーヒーやスイーツを楽しめます。

コーヒーカップも素朴な風合いの陶器で、和室の雰囲気に良く合っていますね。バスの時間の都合で長居はできませんでしたが、恆春の街歩きでは、こんなカフェで休憩するのが良さそうです。

畳の部屋でゆっくりコーヒー


いかがでしたか?市内中心部を散歩するだけでも、見どころいっぱいですね。特に城門は全部回ると結構な運動になりそうです。ゆっくり回ると半日は楽しめます。

次回は、恆春の様々なグルメをご紹介したいと思います。