のぶもん台湾さんぽ

台湾のあちこちに出かけたときの旅日記をつらつらと書いています。マイナーな街の紹介が結構多いです。

高速道路の脇に貴重な歴史建築?!〜林泰安古厝をたずねて

こんにちは、のぶもんです。

台北には、隠れた歴史建築が案外多いのですが、今回ご紹介する「林安泰古厝」もその一つ。アクセスがやや不便なため知名度はイマイチですが、実はかなり見ごたえのある古蹟でした。

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最寄りのMRT圓山駅から徒歩で15分くらい。公共の貸自転車・U-bikeを使えば5~6分で着きます。

 

早速、中に入ってみたいと思いますが、入口はかなり質素ですね。
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このお屋敷は、もともと大安區の敦化南路付近にあった古いお屋敷。

 

18世紀に福建から渡ってきた林一家(あ、台湾には星の数ほどの林さんがいます…)。清代に艋舺(今の龍山寺付近)で財を成した林志能は、この地に自身の邸宅「安泰厝」を建てました。

 

今でこそ、おしゃれな一等地の敦化南路エリアですが、かつては台北の市街地からかなり離れた田舎でした。なので、広大なお屋敷を構えるのも比較的容易だったでしょう。

 

ところが時は移り変わり、戦後は開発が進みます。ここも取り壊しの対象となったのですが、当時の学者・専門家たちの尽力によって、圓山に近い濱江公園に移設されることになりました。

 

こうして2000年に「民俗文物館」として公開されるに至り、今では台北の古跡をきがるに楽しめるスポットになっています。


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園内はかなり広く、邸宅エリアと庭園エリアがあります。邸宅エリアの中心は、こちらの建物「正廳」。子孫が祖先を祀る場所だそうです。


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200年の歴史を誇るお屋敷だけに、建築や彫刻も大変見応えがあります。こちらの部分は「斗拱(ますぐみの意)」といい、木材はすべて福建・福州から取り寄せ、部材をホゾで接合しています。


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建物だけでなく、古い高級家具などが随所に置かれ、かつての栄華を偲ぶことができます。


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園内のいくつかの建物では、文化イベントが開催されており、この建物の中では書道展が開かれていました。


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庭園エリアも面白いですね。実はこの裏手には高速道路が通っているんです。その割には、そこまでうるさくないんです。。。

実は、障景という考え方を用いて、滝水の音と竹林などによって、視覚的にも聴覚的にも高速道路の存在を弱める効果を発揮しているのだそうです。


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こちらは醉茶居。大きな池(映月大池←素敵な名前ですね)の前にある、中華風の涼亭です。ここから、池の向こう側に美しい楼閣が見えます。


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その楼閣がこちらの「雨前樓」。何とも風情のある建物、そして名前ですね。普段は中には入れるそうですが、今はコロナ防止の絡みでイベント開催時のみ公開されるそうです。


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屋敷も素晴らしいのですが、僕はこの庭園がとても好きになりました。大池を中心にいくつかの建物が配置され、お互いを見て楽しめるようになっています。見る角度によってそれらの表情も変わり、散歩していても飽きません。


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池の対岸からみた雨前樓と横にある随月閣。実に絵になります。


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今回も、実際に訪れて初めて、古蹟の価値の高さ、奥深さが実感されました。

 

これらの仕掛けの発想のもとは、ぼくの知らないものがほとんど。自宅に帰ってから必死になって資料を読み込み、やっとこの古蹟のすごさが掴めるようになりました。

 

歴史散歩の場所としてもかなり良いと思いますし、普通にのんびりさんぽをするだけでも十分楽しめる林安泰古厝。

 

僕も近いうちに再訪したいですし、皆さんにもとてもおすすめしたい歴史スポットです。

 

【施設情報】

「林安泰古厝」

住所:台北市中山區濱江街5號

開館時間:9:00~17:00(月曜定休)