こんにちは、のぶもんです。
7月後半は、ちょくちょく仕事が空く日があったため、以前から気になっていたスポットを次々に訪れてみました。
基隆もそんな街の一つ。今まで何度も基隆に来ましたが、毎回駅前や港付近、そして廟口夜市を歩き回ってばかりでした。
でも基隆は、もともと日本統治時代の軍都。軍関係の遺構もまだそれなりに残っており、日本家屋も少しずつ修復が進んでいるとのこと。それなら、ということで、駅前から少し離れたエリアを歩いてみることにしました。
(目的地近くのY字路。平地が少ない基隆では、複雑な町並みを楽しむことができます)
基隆は、日本統治時代は台湾屈指の港を持つ港湾都市となり、同時に軍都としての役割も担うようになりました。
そのため、歴史遺構の中にも軍事関連のものが多くなっています。砲台や軍施設についてもいずれ探索することにして、今日はまず代表的な日本家屋をめぐることにしましょう。
バスを降りてまず向かったのは、基隆市長官邸。1932年に基隆関税事務所宿舎として建てられ、後に台湾土地建物株式会社の支店長宿所になりました。
戦後は、基隆市長の官邸として使われ、リニューアルの後、2014年から一般に公開されています。
少し洋風の雰囲気も持つ住宅ですが、残念ながら現在は、コロナ問題の影響などから公開を停止中です。コロナ収束時には公開されると思うので、その時が待たれますね。
植え込みに阻まれて中を見通しづらいので、なお一層気になります。
そこから駅の方にしばらく歩くと、今度はこちらの建物が見えてきます。
こちらが「基隆要塞司令部校官眷舎」。市長官邸とともに古蹟に指定された日本家屋です。要塞司令部という名前が出てくるところに、軍都の面影を強く感じさせます。
ちなみに、写真を見る限りでは自由に出入りしているように見えますが、実は7月時点ではまだ公開されていませんでした。(公開開始は8月6日)
関係者が慌ただしく出入りしていたので、開館に向けての準備が大詰めだったのでしょうね。次回行くときには、館内もじっくり見学したいです。
さらに、この官舎から目と鼻の先の場所に残っているのが、「要塞司令官邸」。裏にすぐ山があり、小高い場所にやはり日本家屋があります。
こちらの住宅も修復が進められていますが、公開は未定とのこと。日本家屋は、一軒を修復するのに多額の費用とかなりの時間を使いますから、順に日本家屋を修復するにも間隔がある程度開くかも知れませんね。
とはいうものの、この狭いエリアにしっかりした日本建築が３軒もあるとなれば、回遊性のある観光スポットとしての魅力が増してくるでしょう。
また、近くには清仏戦争でのフランス人兵士の戦没者を祀る墓地などもあり、基隆が辿ってきた複雑な歴史を随所で感じることができます。
ですが、僕が一番心惹かれたのは、こちらの何とも古めかしい小吃。お腹が空いておらず、先を急いでいたのでチラッと中を見て通り過ぎましたが、ものすごくいい感じです。
お店の名前は「月松飲食店」。次回、要塞司令校官宿舎を取材しに来るとき、こちらもあわせて訪れてみようと思います。
基隆市中正區の港のあたりは、日本時代からかなり発展したようで、昭和感を強く感じます。山にへばりつくように住宅が密集し、淡水に負けない昔ながらの港町風情を感じられます。
【アクセス情報】
基隆駅から和平島方面のバスで約10分。中正區行政大樓もしくは公教住宅下車が便利です。また、台北市内から1579直通バスでもこれらのバス停まで来ることができます。
【施設情報】
「基隆要塞司令部校官眷舎」
住所：基隆市中正區中正路113號
開館時間：13:00~17:00(土日は10:00~)
※月曜火曜は定休
