のぶもん台湾さんぽ

台湾のあちこちに出かけたときの旅日記をつらつらと書いています。マイナーな街の紹介が結構多いです。

淡水日記33~ニュータウンにひっそり残る台湾古民家

こんにちは、のぶもんです。

 

淡水と言えば、淡水河沿いのロマンティックな雰囲気や夕陽の景色、賑やかな老街などが有名ですよね。

 

でも淡水には、バラエティに富んだ史跡が案外あるんです。今回ご紹介するのは、そんな穴場歴史スポット「公司田溪程氏古厝」です。

 

この古蹟の名前は、初めて目にする人がほとんどではないでしょうか。僕も、googlemapで見つけて気になってはいたものの、長い間先送りしていました。

 

では、見学に行くとしましょう。


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かつてはバスでしか行けなかった古厝ですが、今では新しく開通したLRTで行くことができます。最寄り駅は濱海沙崙駅。海っぽい名前ですが、海からはかなり遠いです。

 

この辺り一帯は、昔は普通の田園地帯でしたが、最近は新しい高層マンションが次々と建っています。


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歩いて数分で・・・見つけました!周りはニュータウンですが、ここだけタイムスリップした感じです。


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屋敷の横には大きな池。閩南文化と現代の景観が不思議な雰囲気を醸し出しています。


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こちらが、屋敷の正面です。三合院という台湾の古い住宅ではよく見られるスタイルです。


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両脇もこんな感じで落ち着きを感じさせますね。


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中に入ると、程氏ゆかりの品々がたくさん展示されています。ただし、どうやら普段の建物管理は、右側の棟に入っている工房の方がなさっているようで、資料館・博物館としての整備はまだ途上といったところです。


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程氏の来歴についての説明書き。どうやら、程氏は、清代の乾隆年間にすでに淡水に移り住んでいたようです。そして、この建物の創建年代ははっきりしませんが、清代末期にはすでに存在したとの記録が残っています。

 

少なくとも130年くらいは経っているのでしょう、派手さはありませんが、歴史の重みを感じます。


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古い中華式のベッド。現代のに比べれば小ぶりですね。こんな貴重な品々が数多く保存されています。


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それにしても、かつてこの地に居を構えた程氏一族も、まさか自分の故郷が近未来的なニュータウンになっていくとは予想していなかったでしょうね。

 

この古蹟は、幸いにもかなり前から保存・修復計画が立てられていたようです。その頃はさすがにマンション計画もほとんどなかったでしょうから、運良く現代に残されたと言えるのではないでしょうか。

 

【施設情報】

「公司田溪程氏古厝」

住所:淡水區新民街一段138巷7號

開館時間:11:00~17:00(月曜定休)

 

アクセスは上述のLRTの他に、淡水駅から紅38バスで大庄福徳廟下車、これが一番便利です。他のバス路線もありますが、遠回りをするので時間のロスになります。