のぶもん台湾さんぽ

台湾のあちこちに出かけたときの旅日記をつらつらと書いています。マイナーな街の紹介が結構多いです。

台湾さんぽ73〜虎尾さんぽ2・リノベ日式建築と遊び心いっぱいの眷村

こんにちは、のぶもんです。

 

虎尾さんぽの続き。

 

まずはこちらの日本家屋「雲林故事館」を訪れようとしました。が、なんとまさかの臨時休業。虎尾を訪れたのが、旧正月シーズンの後。連休中に積極的に開館していた施設は、場合によってはハイシーズンのあとに、多めに休館日を取ることがあります。こればかりは、FBでも情報が追い付かないことがあるので、くじ引きに外れたと思うしかありません(笑)。


f:id:funstudy-taiwan:20210514134716j:image


気持ちを切り替えて、すぐ近くの雲林布袋戯館を訪れます。こちらは、かつて日本統治時代には虎尾郡役所だった建物。1922年に建てられたので、今年でなんと99年目!来年はもしかしたら、100周年記念のイベントをやるかもしれませんね。

現在では、台湾の一般庶民のあいだでいまだに根強い気にを誇る「布袋劇」に関する展示資料館になっています。平日はとても静かですが、土日になると、実際に布袋劇が演じられることがあり、たくさんの見学客でにぎわいます。あ、劇はほとんど台湾語で進められるので、中国語しかわからない人は、細かな部分は分かりにくいかもしれませんが。

f:id:funstudy-taiwan:20210514134802j:image


最近では、若者の間で、超イケメンのキャラクターによる新しいタイプの布袋劇も人気が出ているようです。伝統的な人形とはかなり雰囲気が違いますが、当地では受け入れられているようですね。

f:id:funstudy-taiwan:20210514134825j:image


かつての郡役所だっただけあり、敷地内は結構広く、工房やショップなどもありました。平日はがらんとしていますが、土日は家族連れなどであふれかえることもあります。

f:id:funstudy-taiwan:20210514134843j:image


【施設情報】
「雲林布袋戯館」
住所:雲林縣虎尾鎮林森路一段498號
開館時間:10:00~18:00(月曜火曜定休)

布袋戯館は、雲林縣の観光ホームページにものっていて、虎尾ではメジャーな観光施設ですが、次に訪れたのはまだ全国的には無名のスポット、建国一村です。

台湾各地に残る眷村。かつて中国大陸から渡ってきた軍人とその家族が住んでいた住宅地区ですが、ここ虎尾にも眷村があります。実はこの眷村、そもそもの起源は1943年に建設された海軍航空隊の軍事基地だったのです。それが戦後になり国民政府に接収。空軍の眷村になりました。

f:id:funstudy-taiwan:20210514134904j:image


そのため、そこかしこに、眷村時代の遺構が残されており、台湾の一般的な街とは異なる独特の雰囲気を持つ住宅群跡となっています。

f:id:funstudy-taiwan:20210514134921j:image


かつて多くの住民が住んでいた住宅群は、今では多くが廃墟となり、ほとんど人は住んでいません。(完全に無人になったわけではなく、住み続けている人も少しですがいました)

f:id:funstudy-taiwan:20210514134942j:image


そんな廃墟のいくつかは、地元の若者が工夫を凝らして、アートスペースやショップに蘇らせています。こちらは、そういったお店の一つ、「哲美系二手書店」。独立系の古本屋さんです。

f:id:funstudy-taiwan:20210515011354j:image


こじんまりとした店内に入ると、ちょっと興味を惹かれるこだわりのラインナップが並んでいます。

f:id:funstudy-taiwan:20210515011425j:image


ところどころ破壊された建物の跡をうまく利用して、素敵な空間を作り出していますね。ただの廃墟が、おしゃれなインスタスポットに生まれ変わっています。店内では、コーヒーなどもドリンクなども提供しているので、ちょっとお茶を飲みながらゆっくり本を物色するのも良さそうです。

f:id:funstudy-taiwan:20210515011503j:image


【店舗情報】
「哲美系二手書店」
住所:雲林縣虎尾鎮建国一村内
営業時間:金土日の12:00~17:00のみ

この哲美系からほど近い場所にあるのが、こちらの建物。レンガ造りの建物は比較的よく保存されていますね。ここは「白水咖啡」というカフェで、コーヒーや簡単な食事が楽しめるそうです。が、この日はなぜか臨時休業。内部の雰囲気を確かめることができませんでした。まあ、次回の宿題に取っておきましょう。

f:id:funstudy-taiwan:20210515011629j:image


どこかでドリンク休憩を取りたいなと歩いていたら、先ほどの哲美系のように廃墟を生かしたオープンカフェ?を発見。さっそく、お店に入ってみました。

f:id:funstudy-taiwan:20210515011952j:image


お店の名前は「太日茶屋」。どことなく、日本を意識した作りになっていて、眷村+日本というちょっと独特の風情が生まれています。

f:id:funstudy-taiwan:20210515012047j:image


【店舗情報】
「太日茶屋」
住所:雲林縣虎尾鎮建国一村内
営業時間:12:00~18:00(金土日のみ)

建国一村の中にはアート空間になっているところも。かつての眷村の暮らしを思い起こさせるレトロな雰囲気の作品を見ると、不思議な気分にさせられますね。


f:id:funstudy-taiwan:20210515012207j:image

 

眷村歩きを満喫したら、再び市街地へ。今回の虎尾旅で特に気になっていたお店に慌てて入ります。


f:id:funstudy-taiwan:20210515012355j:image

 

それが、「雲林記憶Cool」です。ここは日本統治時代、「虎尾登記所」として使われていた建物で、今ではカフェなどに使われています。以前、虎尾を訪れたときは、この施設はまだ営業していなかったと思うのですが、店内の雰囲気はかなり良いです。

f:id:funstudy-taiwan:20210515012513j:image


役所の間取りを上手に使ったカフェの店内。入店したのが午後5時過ぎということで、すでにお客さんの姿はなく、僕だけの貸し切り状態になりました。

f:id:funstudy-taiwan:20210515012641j:image


もちろん、コーヒーも頂きます。しかし、このコーヒーポットはかなり大きいですね。この中にコーヒーがたっぷり入っていて、2杯以上飲むことができました。

f:id:funstudy-taiwan:20210515012738j:image


裏手の藏のような建物もちょこっと見学。

f:id:funstudy-taiwan:20210515012825j:image


中には、程よい感じの調度品が置かれていて、中には日本統治時代の遺品もありそうですね。

f:id:funstudy-taiwan:20210515012931j:image

 

そしてさらに驚いたのが、本館の横にある鍵付き倉庫。こちらは、本棚のような背の高い棚が所狭しと並べられ、役所の遺品だけでなく、さまざまなものが飾られ、別世界の宝箱のようになっていました。

f:id:funstudy-taiwan:20210515013317j:image


多種多様な観葉植物の置かれていて、ミニ植物園の風情。何物にも分類しづらい雰囲気に、戸惑いつつも心地よさを感じていました。

f:id:funstudy-taiwan:20210515013432j:image


【店舗情報】
「雲林記憶Cool」
住所:雲林縣虎尾鎮林森路一段501號
営業時間:9:00~18:00(月曜定休)
(鍵付き倉庫の見学は別途200元必要→ドリンクを注文したら100元引き)

記憶Coolのすぐ隣にも、日本家屋が残っており、何やら飲食店をやっている模様。近くまで覗いてみたら、火鍋屋さんになっていました。ここも一度中に入ってみたいですね。

f:id:funstudy-taiwan:20210515013550j:image


昼間訪れた雲林布袋戯館。ライトアップはされていませんでしたが、夜の雰囲気もなかなかです。

f:id:funstudy-taiwan:20210515013748j:image


そして虎尾で見逃せないのが、こちらの建物です。なんと、スターバックスと誠品書店が背中合わせで同居しているんです。ここは日本統治時代の1930年に建てられた建物で、消防隊などが入っていた合同庁舎として使われていましたが、近年、おしゃれスポットの代表格となる2軒の店舗が入り、レトロかつモダンな風情を醸し出しています。

f:id:funstudy-taiwan:20210515013823j:image

 

どの方向から写真を撮っても絵になるので、昼も夜も立ち寄った際はぜひ写真を問てみてください。

f:id:funstudy-taiwan:20210515013850j:image


そんなこんなで、すっかり夜。食事をしたら最終の高速バスで台北に帰らなければなりません。夕食の会場に選んだのが、友人の小森さんに教えていただいた、この日本料理店「木子」です。虎尾と日本料理のつながりがよくイメージできませんでしたが、今では台湾の地方でも、しっかりとした日本料理を出すお店が少しずつ増えている気がします。

f:id:funstudy-taiwan:20210515013932j:image


こちらが注文した、唐揚げ定食セット。メインの鳥から揚げだけでなく、おいしいご飯に味噌汁、たくさんの小鉢料理、どれをとっても日本の良心的な街の食堂で頂ける唐揚げ定食に負けないクオリティ。いやはや脱帽です。

f:id:funstudy-taiwan:20210515014002j:image

【店舗情報】
「木子」
住所:雲林縣虎尾鎮復興路5號
営業時間:11:30~14:00、17:30~20:30(火曜定休)

ということで、無事に夕食も終え、台北行きの高速バスに乗り込みました。今回の日帰り旅では、朝から晩まで虎尾の見どころをひたすら見て回りましたが、今回訪れる余裕がなかったカフェやショップもあるので、近いうちに、また虎尾の街を散歩しに来たいです。