こんにちは、のぶもんです。
少し前の話になりますが、改めて「池上一郎文庫20周年記念式典」で屏東縣竹田に出かけた話を書きます。自分にとって思い出深い池上文庫。今年も、式典に参加することができました。
1月16日。今回も、時間の都合で夜行バスに乗り高雄入り。台鐡に乗り竹田に着いたのは7時ごろでした。式典の日の池上文庫です。まだ誰もおらず、とても静かでした。
池上文庫について簡単に紹介しますね。
日本統治時代に軍医として竹田の医療に尽くした池上一郎という医師がいました。村の人々にたいへん慕われましたが、敗戦とともに日本へ戻ります。
その後、博士が竹田の地を訪れることは叶いませんでしたが、戦後ずっと竹田のことを気にかけていた博士は、日本語世代の住民のために日本語の本を寄贈。2001年には、竹田駅の脇にある古い木造の倉庫を改造して、アジア最南端の日本語書籍の図書館と言われる「池上一郎博士文庫」が設立されました。
以来、屏東における日台交流の重要拠点として多くの人たちに愛されてきました。そして今年、めでたく20周年を迎えるに至ったわけです。
何を隠そうこの僕も、竹田の池上文庫で地元の方の知り合い、今でも親しい友人としてお付き合いさせていただいています。そのときにとても親切にしていただいたことが、後に台湾移住を決意するに至った一つのきっかけだったんです。
下の写真は旧竹田駅舎。本物の駅は、高架化に伴い新しく建てられましたが、旧駅舎は歴史遺産として大切に保存されています。
さて、式典は朝9時からなので、先にゆっくりと腹ごしらえをします。
こちらは昨年発見した、竹田の小吃。駅から500mくらい離れていますが、時間に余裕があるので、軽い散歩のつもりで出かけます。
やってきたのは「竹田鹹湯圓」という客家料理の小吃。朝5時半から営業している朝昼用の食堂です。
出勤前に食べに来る人が結構いて、朝から賑わっています。
そして、今回もついつい食べすぎました。注文したのは上が「大鍋菜」、左下が米苔目、右下が「鹹湯圓」。どれも素朴な料理ですが、あたたまる料理ばかりで、1月の肌寒い屏東の朝には嬉しいラインナップです。
すぐ近くには、小さな屋台も出ていました。こちらも何だかおいしそう。来年来るときには、こちらのお店にもトライしてみたいですね。
開式の時間が近づいてきたので、竹田駅前に戻ってきました。今年は、この文庫の劉耀祖理事長が旭日双光章の叙勲を受けるということで、文庫内で伝達式が行われます。
式典が始まりました。文庫の隣にある資料館のホールが会場。理事長の挨拶です。
この式典では毎年、地元の日本語世代の皆さんによる合唱が披露されます。日本人にとって馴染みがある歌も多いので、和やかな雰囲気の中、みんなで歌います。
式典のあとは、文庫内での伝達式。小さな文庫ですが、屏東縣の縣長はじめ各界の名士が揃い、館内は満員状態です。
皆さんで記念撮影。無事に式典と伝達式が終わりました。
このあとは、恒例の客家家庭料理の食事会なのですが、今年は友人の邱さんのお宅にすぐ移動したので欠席。そのため、食事会の写真がありません😅
お天気もよく、良い式典になったと思いますが課題もあります。というのも、式典に参加する人が年々減っているんです。もともと竹田の日本語世代の皆さんと日本人の有志を繋ぐイベントですが、台湾の皆さんの高齢化に伴い、参加者が減少傾向に。竹田に思い入れのある日本人もそれなりに来ますが、台北から遠いため、知っていてもなかなか来られない方もいるでしょうね。
来年は、コロナが収束して、日台の往来が可能になれば、日本からの参加者が多数来ると思いますが、これからの式典そして文庫のあり方をじっくり考える時期が来たようです。
次回は、竹田駅がある屏東縣各地にある見どころやグルメをご紹介したいと思います。