こんにちは、のぶもんです。
最近、自分の中でホットなエリアは「基隆」なんです。
林右昌市長が当選して以来、街のイメージを一新すべく、観光開発にも力が入れられるようになりました。
日本家屋のリノベが進められ、インスタ映えするスポットも盛んに宣伝。最近では、アメが多い土地柄を逆手に取り、「雨都」としても売り出しを始めています。
でも、基隆の基本的な空気は昭和のまま。今回はそんな風景を少し追ってみました。
やってきたのは、中正區の區公所(区役所)から徒歩3分くらいの古い地区に、その店はありました。名前は「月松飲食店」。
見てください!この古い店構え。今どき、日本でもあまり見かけないですよね。
基隆の街は駅前だけで完結していません。湾を囲む海岸沿いの狭い土地に、へばりつくように住宅や商店が建ち並びます。
店の前の中正路は基隆の主要道路ですが、今風の建物は少なく、一昔前の風情をあちこちで見かけます。月松の店の正面も、いつの時代かわからない感じです。
中に入ってみましょう。そこは「令和」ではなく、紛れもない「昭和」です。
日式ではないけれど、昔のドラマに出てきそうな作りですよね。
さて、本題の食事です。簡易な食堂なので、おかずを陳列したトレーがたくさん並んでいます。
今回は、排骨飯に大根スープ、小菜(滷味みたいなセット)を頂きました。これで100元くらい。ありえない安さです。
絶品料理を出すお店ではないけれど、何度でも通いたくなる店。おばちゃんも、変に愛想が良いわけでもなく、ごく普通にご新規さんに接する感じで、そこはかとなくお店に対する自信と誇りを感じました。
【店舗情報】
「月松飲食店」
住所:基隆市中正區中正路151號
営業時間:11:30~19:30(原則無休)
このエリアをもう少し歩いてみましょう。
ここでは、路地という路地が「現代ではありません」。自分が子供の頃、こんな路地があったよなあ、と感じるような古さがあちこちに。
すぐ近くの安瀾橋。日本統治時代には真砂橋と呼ばれていましたが、戦後この名前に改称。由来は、海の干満差により水浸し(瀾)になりやすい土地で水害がなくなることを祈念した名前だそうです。
台湾では普通(?)の古いビルですが、ベランダの欄干のデザインが素敵です。
住宅群のすぐ裏は山。淡水も狭い土地に建物がひしめく街なのですが、基隆はそれの拡大版のようなもの。街のいたる所に、入り組んだ道や傾斜が見られ、台湾でも少し異質の雰囲気を醸し出しています。
この先には、インスタ映えの聖地となった「正濱漁港」などがあるのですが、それらの流行りのエリアに比べると、良くも悪くも手つかずのレトロが残っている感じがしますね。
ガイドブックにはとうてい載らないだろうけど、ときどき行かずにはいられない。そんな町並みが基隆にはたくさん残っています。