こんにちは、のぶもんです。
淡水と言えば、川沿いの眺めや夕陽の美しさが有名で、ロマンチックな場所というイメージが強いのですが、実は今から130年以上前、淡水で大きな戦があったんです。
それが清仏戦争の有名な戦いである「滬尾の役」です。1884年、フランス軍が淡水沿岸に攻め込みましたが、孫開華率いる清軍はこれを撃退。清仏戦争において清側が唯一勝利した戦いになっています。
滬尾とは清代までの淡水の名前。今でも、町中で「滬尾」の名前を見かけることがあります。1884という数字も、淡水の人々にとっては思い入れのある数字なんです。
その2年後の1886年に、清朝は淡水の守りを固めるべく、堅牢な砲台を淡水に作ります。これが、今も残る「滬尾砲台」。今回は、この砲台を紹介したいと思います。
砲台が位置するのは、淡水河から坂道を上がり、遥かに淡水河と観音山を眺められる高台です。
さあ、チケット購入です。大人一人80元ですが、実は新北市民なら居留証を持った外国人でも入場無料!(ちなみに80元で買ったチケットは、紅毛城と小白宮との共通券です)
砲台の内部に入るには、このトンネルをくぐらなければなりません。まるで、現在と過去をつなぐタイムトンネルのようですね。
砲台内部はとても広く、かなり大規模なものだったことがわかります。
砲台自体は、その後戦争に使われることもなかったため、破壊されることなく後世に残ることとなりました。
さて、はどうなっているかというと、なんと映像を駆使して、滬尾の役をさまざま角度から説明するビジュアルコーナーになっているんです!
戦争の概略から、指揮官・孫開華のエピソード、兵器の解説など、非常に細かく丁寧に説明され、滬尾の役を知らない子供や外国人にも分かりやすい仕組みになっています。
こちらの通路を抜けると・・・
大砲があった場所に出ることができます。大砲自体は、日本統治時代に撤去されてしまったらしいです。
その代わり、もっと新しい兵器がところどころに置かれていました。
最後の空間は、観光案内の駅像と休憩コーナーがありました。丁寧に見て回ると1時間くらいはかかるので、ひと休みできる場所があると助かりますね。
多くの人がいだく淡水のイメージとは少し異なりますが、大陸からも近く、清代までは海運の要衝だった淡水は、軍事的に狙われる場所でもありました。
こういった史跡を見学すると、淡水の人々の「滬尾」や「1884」という言葉に対する思い入れもより理解しやすくなるのではないでしょうか。
前回ご紹介した「一滴水紀念館」の隣に位置するので、セットで見に来てもいいですね。
喧騒を離れ、淡水の過去と対話したい方は、ぜひこちらへも足を伸ばしてください。
【施設情報】
「滬尾砲台」
住所:淡水區中正路一段6巷34號
開館時間:9:30~17:00(土日は~18:00)
「アクセス」
MRT淡水駅から紅26番などのバスで滬尾砲台下車(土日は836バスが砲台前まで走ります)