のぶもん台湾さんぽ

台湾のあちこちに出かけたときの旅日記をつらつらと書いています。マイナーな街の紹介が結構多いです。

台北郊外・三重に空軍パイロットたちの住宅街があった

こんにちは、のぶもんです。

 

前回は、三重(さんちょんの方)のローカルグルメを紹介しましたが、この街には、隠れた見どころがあるんです。その一つが、今回ご紹介する「空軍三重一村」です。


f:id:funstudy-taiwan:20200930150722j:image

 

場所は新北市三重區の淡水河のほとり。ここに、中華民国空軍の高砲部隊に所属する軍人およびその家族が住んだ眷村(住宅街)です。

 

第二次世界大戦時、三重一村は、日本軍の高砲陣地でした。淡水河を隔てて台北の対岸にあるこの地は、台北防衛において重視されたようです。

 

戦後は中華民国政府に接収され、この一帯が眷村に生まれ変わったという訳です。


f:id:funstudy-taiwan:20201003141853j:image

 

まずは、こちらの遊客中心(ビジターセンター)で情報収集。この建物も、かつては軍属の住宅だったそうです。

 

f:id:funstudy-taiwan:20200930201812j:image

 

日本統治時代ほどは古くないけど、少し前の台湾のリアル(の一つ)を感じられるスポット。早速、中を見てみましょう。


f:id:funstudy-taiwan:20201001105541j:image

 

各施設には元の住宅の住所番号が振られています。まずは16號・眷村生活館に入ります。


f:id:funstudy-taiwan:20201002093738j:image

 

眷村と言えば、狭くて必ずしも快適ではない住宅をイメージしますが、このお宅は違います。まあ、いわゆる豪邸ではありませんが、40~50年前の住宅としてはそれなりに立派。

 

眷村の住宅には、軍隊の職階に応じて4つのグレードがありました。一番上記の高官たちの住宅は住心地もまずまず良さそうですが、一番下の住宅になると、かなり簡素な造りの住宅があてがわれました。


f:id:funstudy-taiwan:20201002093833j:image

 

おしゃれカフェにそのまま転用できそうな内装。


f:id:funstudy-taiwan:20201002094019j:image

 

台湾では必ずしも一般的ではないバスタブもありました。


f:id:funstudy-taiwan:20201002094058j:image

 

かなり真面目な施設ですが、つい可愛い絵を描いてしまうのは、台湾ではお約束ですね。


f:id:funstudy-taiwan:20201003152106j:image

 

なんと、大変小さいながらも中庭もあります。


f:id:funstudy-taiwan:20201003152626j:image

 

それでも、互いの共同体意識は強く、一般の外省人社会とはまた違った小社会を築いていたようですね。

 

街場の戦後台湾とは一味違うコミュニティの空気を感じて、眷村に対する興味がさらに湧いてきました。

 

園区の中には、他にも面白い施設がいっぱい。次回は、残りの施設などについて紹介したいと思います。

 

【施設情報】

「空軍三重一村」

住所:新北市三重區正義南路86巷

開館時間:10:00~18:00(第一月曜定休)

交通:MRT台北橋駅から徒歩8分

もしくは台北中心部から211、221、261、306などのバスで正義南路底下車