のぶもん台湾さんぽ

台湾のあちこちに出かけたときの旅日記をつらつらと書いています。マイナーな街の紹介が結構多いです。

台湾で台湾映画を見る〜新作「怪胎」

こんにちは、のぶもんです。

 

中国語教室の閉鎖、シェアハウスの営業終了、淡水への引っ越し、新しい仕事の開始など、このところ慌ただしい日々が続き、ゆっくり映画を見る習慣がすっかりなくなっていました。

 

日本では毎週のように映画を見まくっていた僕。ようやく踏ん切りがついて、映画を見に行くことができました。

 

見に行った映画のタイトルは、「怪胎」。ホラー映画のタイトルみたいですが、実際は新感覚(?)の恋愛・人間ドラマです。


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主人公の二人は、ともに、強迫性障害という病気を持つ男女。ふとしたことから二人は知り合い、同じ辛い状況を同志のような感覚から、次第に恋愛へと発展していくのですが・・・。

 

すでにあちこちのレビューで書かれていますが、テーマは「恋人が変わってしまったら、あなたはそれを受け入れられるか?」です。

 

途中で「このまま、永遠に変わらずにずっと一緒にいようね」のいうセリフがあるのですが、なんとこのセリフを境に、その直後から恋人の「強迫性障害」が治ってしまうのです(本当にこんな急に治るものなのかはわからないのですが)

 

そうなると、お互いの恋愛への前提が揺らいできます。相手が純粋に好きなのか、それとも何か(特に苦悩)を共有できる同志だから好きなだけなのか。

 

これって、「相手が純粋に好き」の方が偉い気がしますが、そんな都合のいいことって早々あるものでしょうか。

 

僕の経験でも、この同志感が恋愛に置き換えられていたかもしれないなと思うことがあります。

 

あー、だから暮らすステージがバラバラになって共同で戦うor奮闘するテーマがなくなったので、あのときだんだん距離ができたのかな。などと、自宅に帰って一人合点をしてしまいました。

 

監督はこのように言っています。「相手が変わってしまったとき、あなたはそれをどうやって受け入れますか?」と。

 

広告を見たとき、これは今年のコロナにちなんだ防疫映画か何かか?としか思っていませんでしたが、思いがけず深いテーマに引きずり込まれて、映画を見たあと心地よい疲労感に見舞われました。

 

この他にも注目すべき点があります。それは、映画全編をiPhoneだけで撮影したこと。だから、フィルム撮影した映画とはかなり違う感触になるのですが、YouTube動画に慣れた世代にとっては、逆に違和感がないかもしれませんね。

 

主演は謝欣穎と林柏宏。共に、すでに数多くの優れた作品に出演した若手演技派です。設定は20代後半の男女だと思われますが、ある意味ベテラン感を感じさせない、適度な若さ・青臭さを全面に出していて、その点もすごく楽しめました。

 

これ以上はネタバレになってしまうのでやめておきますが、チャンスがあったらぜひ見ていただきたい作品です。

 

今年後半は、台湾では話題作が続々公開される予定。久々に映画に燃える秋になりそうです。