こんにちは、のぶもんです。
淡水の隣の自治体は温泉で有名な北投區です。ここは結構面積が広い自治体で、北部は陽明山国家公園になっています。そういえば、陽明山にはほとんど行ったことがないなあと思い、その中でも少しマイナーだけど、気になる施設に行ってみることにしました。
陽明山の西側にある竹子湖エリア。でも湖はありません。というのも、ここは火山の噴火でできた堰き止め湖だったところが、徐々に水が引いて現在のような湿地帯になったそうです。
ここにかつて、台湾で一番メジャーなお米「蓬莱米」の品種改良研究に必要な原種田ががある場所でした。
蓬莱米とは、台湾に従来からあったインディカ米を品種改良することによって、日本のお米に近いものを大量に生産できるようにしたもの。
戦前日本にとって、米増産は常に至上命題。磯永吉らの研究により蓬莱米の開発に成功すると、台湾における米増産だけでなく、台湾から日本への米輸出も大幅に増えたといいます。
そんな日本統治時代(特に昭和期)を盛んになった蓬莱米の原種田がこの竹子湖にあったんですね。2015年には、蓬莱米原種田の旧事務所が歴史建築として公開されるようになりました。
事務所の建物はきれいに修復されており、それほど日本統治時代を彷彿とさせる感じではありませんでした。
資料館自体はとても簡素。派手な仕掛けは何もありません(^_^;)
でも、一つ一つの展示は興味深いですね。竹子湖は海抜約670メートル。かなりの高地ですが、18世紀には開墾が始まり、日本統治時代の1928年にこの地に「原種田事務所」を開設。蓬莱米の本格的な研究が進められました。蓬莱米は今でも、台湾の一般的な米として親しまれていますね。
当時の写真が展示されていました。もちろん様々な条件を考慮してこの地に原種田を作ったのでしょうが、こんな山深い高地に原種田を作ってしまう日本人の米に対する情熱(というか執念)を強く感じる光景でもありました。
面白いことに、竹子湖は桜の名所としても知られていたようですね。当時の新聞記事を読むと、その人気ぶりがうかがえます。
建物の半分が修復・整備に入り、中に入ることができませんでした。こちらには当時の事務所の様子を再現したものがあるので、再度の公開を楽しみにしたいです。
お隣には小さな小学校(湖田國小)がありました。ここは、1934年に開設された竹子湖国語講習所が前身となる歴史ある学校です。
せっかく自然の中にやってきたのですから、少し周辺を歩いてみましょう。
すぐ近くに、こんな遊歩道を発見しました。googlemap だと様子がよくわからないので、ともかく試しに歩いてみます。
とても台北市とは思えないのどかさですね。この辺りは、シーズンには観光フラワーガーデンとして、たくさんの観光客が訪れるそうです。
畑沿いの細い道を進むと、だんだん沢になってきました。すごく爽やかな歩道ですが、もしかしたら土日は混雑するかもしれませんね。
レイクビューを楽しめる場所ではありませんでしたが、歴史も自然も渋い面白さを堪能できるエリアでしたね。
交通アクセスはそれほど悪くないので、一度訪れてみてはいかがでしょう。
【施設情報】
「竹子湖蓬莱米原種田故事館」
住所:台北市北投區竹子湖路15-2號
開館時間:9:00~16:30(原則無休)
【交通アクセス】
①台北駅前(公園)から1717バス金山行きで竹子湖派出所下車(以下下車バス停は同じ)
②MRT石牌駅から小8バス
③MRT北投駅から小9バス