こんにちは、のぶもんです。
午後になり、頭城から宜蘭に移動しました。
宜蘭ではまず、市街地に残る日本統治時代の遺構を見て回ります。
駅から南西方面に歩いていくと、大きなショッピングセンターの傍らに小さいレトロな建物があります。こちらが、「旧宜蘭監獄門庁」。
今はこの建物と当時の監視塔が残るのみですが、こちらの建物はカフェ・レストランとして蘇っているので、散歩の合間にここで休憩を取るのも一つの方法です。
【施設案内】
「旧宜蘭監獄門庁」
住所:宜蘭市神農路二段117號
営業時間:11:30~14:00 17:30~20:00
(藍屋餐廳の営業時間、土日は20:30まで)
この監獄跡から徒歩5分くらいで、宜蘭最大の日本統治時代の観光施設「宜蘭設治紀念館」に着きます。正面から見ると、まさに和風の趣。
ですが、サイドには洋式建築の部分もあり、ハイカラな感じも残していますね。
ここは、日本統治時代初期に宜蘭県長としてこの地の安定・発展に尽くした西郷菊次郎の官舎だった建物。以後、終戦まで歴代の県長がここに住みました。
清朝から台湾を割譲された直後、当地の行政を任されたのが西郷隆盛の実子・菊次郎でした。
当時は日本統治が始まったばかりで、抗日運動も激しかったようです。日本政府の命を受けた菊次郎が、いかにして当地の状況を安定させていったか、様々な資料をもとに学ぶことができます。
立派な客間をはじめ、素晴らしい部屋がたくさんあります。県のリーダーとして様々な客人を迎え入れたでしょうから、建物もしっかりしています。
ここでは、台湾人観光客の姿をたくさん見かけました。彼らの中では、自分たちの過去に「日本時代・日本建築」がそれなりの位置を占めているようで、みんな興味深く展示を見ていました。
もちろん、要所要所でポーズを取って記念撮影を忘れることはありませんでしたが。
設治紀念館の隣も、素晴らしい日本家屋が残っています。こちらは「宜蘭文學館」と呼ばれ、日本時代の農林学校校長宿舎だったそうてす。
この建物も、かつて金城武のCM撮影に使われたそうです。なるほど、絵になる建物ですよね。
こちらも落ち着きを感じさせる素晴らしい和室ですね。設治紀念館は資料館ですが、こちらは無料見学も可能な茶房になっており、無料で見ることも内部を見学できます。
ですが、毎回タダで見せてもらうのも申し訳ないので、今回はこちらの水果茶をいただきました。
一番安いドリンク(この水果茶もそう…)が160元(服務費別)と正直高いのですが、和室の座敷に腰を下ろし、たっぷり入ったお茶をいただけるのはなかなか良かったですよ。(この水果茶はかなりおいしかった)
折しも、急に雷雨になってしまったため、しばらく休憩を兼ねてのんびりお茶を楽しんでいました。
【施設案内】
「宜蘭設治紀念館」
住所:宜蘭市舊城南路力行3巷3號
開館時間:9:00~17:00(月曜定休)
「宜蘭文學館」
住所:宜蘭市舊城南路縣府2巷19號
営業時間:設治紀念館に同じ
宜蘭の日本建築巡りというと、ここで終わりという方が多いのですが、実はすぐ近くにもう一つ日本統治時代に起源を持つ施設があります。
それが、宜蘭酒廠。もともと1909年に民営の酒造会社「宜蘭製酒公司」として開業した後、1922年からは総督府直属の酒造所に。戦後は国民党政府の専売所になり、2002年に台灣菸酒(TTL)の宜蘭酒廠になっています。
敷地内のいくつかの建物は入場可能。甲子蘭酒文物館では、当地で生産が盛んな紅麹のお酒「紅露酒」など様々な酒に関する展示が見られます。TTLの施設の割にはかなり充実した展示でしたよ。
別の建物では、「酒銀行」という独特の金融システムに関する展示もあり、こちらも興味深いですよ。
お土産コーナーでは、なんと生ビールの販売が!台湾では生ビールはかなりマイナーな存在なので、日本の生ビール等のみなさんにとっては嬉しい情報ですね。
僕も、売り子のおばちゃんの掛け声に押されて、なぜか一杯飲んでしまいました。
閉館時間が近づき、せっかくなので紅麹入りの香腸を。麹の風味が効いていて、甘いソーセージが苦手な方でも結構いけますよ。あ、これピールに合いますね。
宜蘭のお酒と言えばすっかりカバランに名声を取られてしまいましたが、一般の台湾人にとってはこちらのお酒や土産物のほうが馴染みがあります。土日はそれなりに混むのではないでしょうか。
【施設案内】
「甲子蘭酒文物館」
住所:宜蘭市舊城西路3號
営業時間:8:00~17:00(原則無休)
さあ、宜蘭日帰り旅も終わりに近づいてきました。この後も、もう少しだけ宜蘭の街を歩きます。